浅瀬で学ぶ 類型:生活(衣)
  鬼の洗濯板(おにのせんたくいた) 秋田県男鹿市
1.謂われ,特徴,エピソード等

 波による浸食作用によって,比較的固い地層はあまり削られずに残った結果,巨大な洗濯板のような形に見えたことから,当地域を代表する文化である「男鹿のナマハゲ」と関連して,「鬼の洗濯板」と呼ばれています。

 遠浅の利点から「鵜ノ崎海岸」として,当地域で最も親しまれている海岸ですが,その浅瀬はダイナミックな地殻変動の様子が観察でき,遊びの宝庫であると同時に地学教育や歴史教育などにおける学習素材として,利用されています。

 奇岩百景に登録されている「No.67小豆岩」は,この鬼の洗濯板(鵜ノ崎海岸)にあります。

2.地形・地質の概要

 海岸一帯は「日本の渚・百選」にも選ばれている美しい海岸で,浅瀬が沖合へ200~300mの幅で広がっています。
 この浅瀬は,褶曲を伴う泥岩層の波食台(波食棚)であり,常時は海底にあります。
 しかし,海岸線の干満差に応じて,部分的に観察できるとともに,春季の大潮の引き潮の際には,明瞭な様子で全面観察が可能となります。

 この地層は,当地域の標準層で女川層として呼称され,石油に代表される化石燃料の含有層と考えられています。


の近景

の近景
3.奇岩近傍の三次元地形イメージ

「男鹿半島」南部の「鵜ノ崎」周辺に広がる広大な「波食棚」そのものが,奇岩「鬼の洗濯板」です。
この波食台は,水没している時間帯が長く,全体が水面上に出るのは,春秋の大潮の時だけ,となっています。
4.周辺のジオサイトや観光地
男鹿半島・大潟ジオパーク
 この奇岩は,男鹿半島・大潟ジオパークの「鵜ノ崎海岸ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。
 遠浅の海岸一帯は「日本の渚・百選」の一つとして,磯遊びや貝拾いなど,小さな子ども連れの家族でも安心して遊べ,夏には多くの海水浴客で賑わう場所です。
 同ジオサイト内では,「小豆岩(あずきいわ)」が日本の奇岩百景+に登録されています。
☆観光地
 赤神神社五社堂:ナマハゲ伝説の残る重要文化財 ,なまはげ立像:高さ9.99m
 鵜ノ崎海岸:日本の渚百選,奇岩「小豆岩
 館山崎 : 奇岩「グリーンタフ」,「ろうそく岩」と「椿の白岩
 潮瀬崎 : 奇岩「ゴジラ岩」,「ゴジラの尻尾岩」,「ガメラ岩」,「双子岩」と「帆掛島
5.交通(公開時の情報)
  • 鉄 道:JR男鹿線の「男鹿駅」下車。男鹿市[マイタウンバス]「男鹿南線」に乗車し,「鵜ノ崎」で下車。乗車時間は約20分です。
  • 自動車: 男鹿総合観光案内所から,県道59号を門前方向へ約30分の所にあります。
6.記事,引用情報,お断りなど
 

【記事】
 ・GUPI職員による「男鹿半島・大潟ジオパーク巡検記」はこちらにあります。

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約

【お断り】
 ・奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。地形図については,地図検索のページをご覧ください。

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