男鹿半島の隠れた魅力 類型:生活(食)
  小豆岩(あずきいわ) 秋田県男鹿市
奇岩の写真

春の大潮で全身を顕した小豆岩
遠くに「帆掛島」が写っています
1.いわれ,特徴,エピソード等

 海岸線約1.5kmにかけて200mほど沖までの浅瀬(波食台)が続く鵜ノ崎海岸に,小豆岩と呼ばれる球体の岩石が点在します。
 常時は海底にあるこの岩は,男鹿半島の隠れた魅力です。

 丸い形が愛らしく見えるのでおぼこ岩とも呼ばれています。
 おぼことは,「あかちゃん」とか「ちいさいこ」などの意味で使われる方言です。

 満潮の時は頭だけ出している為に目立たず,干潮時に全体を現すので,観察する際は,春先の大潮の時期を見計らって行くことをお勧めします。 

地形・地質の概要

 小豆岩は,カルシウムやマグネシウムなどの炭酸塩鉱物を含んだ,泥灰岩のノジュール(球体の岩石)と言われています。

 泥灰岩は粘土質の成分と石灰岩との中間的な岩石で,ここでは割れてレンズ状なったものの中に,鉱物の結晶を見ることができます。

 このノジュールは多少の風化作用を受けていますが,鵜ノ崎海岸を構成する女川層と呼ばれる地層中で,長い時間かけて形作られたと言われています。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

  「男鹿半島」南部の「鵜ノ崎」周辺に広がる広大な「波食棚(鬼の洗濯板)」の上に,奇岩「小豆岩」が存在します。
 この波食棚は,水没している時間帯が長く,全体が水面上に出るのは,春秋の大潮の時だけ,となっています。
周辺のジオサイトや観光地

男鹿半島・大潟ジオパーク
 この奇岩は,男鹿半島・大潟ジオパークの「鵜ノ崎海岸ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。
 遠浅の海岸一帯は「日本の渚・百選」の一つとして,磯遊びや貝拾いなど,小さな子ども連れの家族でも安心して遊べ,夏には多くの海水浴客で賑わう場所です。
 同ジオサイト内では,「鬼の洗濯板(おにのせんたくいた)」が日本の奇岩百景+に登録されています。

☆観光地
 近くには,ナマハゲ伝説の残る重要文化財「赤神神社五社堂」のほか,高さ9.99mのなまはげ立像などがあります。
 鵜ノ崎海岸:日本の渚百選,奇岩「小豆岩」など
 館山崎 : 奇岩「グリーンタフ」,「ろうそく岩」と「椿の白岩
 潮瀬崎 : 奇岩「ゴジラ岩」,「ゴジラの尻尾岩」,「ガメラ岩」,「双子岩」と「帆掛島

交通概況

☆鉄道
 JR男鹿線の「男鹿駅」下車。男鹿市[マイタウンバス]「男鹿南線」に乗車し,「鵜ノ崎」で下車。乗車時間は約20分です。

☆自動車
 男鹿総合観光案内所から,県道59号を門前方向へ約30分の所にあります。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。