この名前が初めて使われた場所 類型:伝説,自然
  グリーンタフ(ぐりーんたふ) 秋田県男鹿市
1.謂われ,特徴,エピソード等

 「館山崎」という地名には,中世の頃に館があって,城主が戦いに敗れ,妃が後を追って身投げしたという伝説が残されており,一帯は「御前落し」という名でも呼ばれています。

 男鹿半島・大潟ジオパークを象徴する代表的な岩石であるグリーンタフの名称は,館山崎がその発祥の地だといわれています。
 もともとは緑色凝灰岩ということばが使われていましたが,この館山崎の岩石を地質学者たちが調査した時にフィールドネーム(通称)として使ったと言われています。

 その後,次々と日本海沿岸地域で同じような凝灰岩が分布していることが分かり,その名称が広く定着しました。

 館山崎ジオサイトにあるこの岩石露頭は,圧倒的なスケールであり,目を見張るほど鮮やかな緑色は雨で濡れると一層深みを増し,ターコイズのような色となります。
 迫力のある大きさ・目を見張る鮮やかさ・色の変化を楽しめる特徴はジオツアーでの人気がとても高く,ビジターに大いに喜んでいただけます。

2.地形・地質の概要

 館山崎のグリーンタフは,2100万年ほど前(新第三紀中新世)の火山噴出物です。

 「タフ」とは「凝灰岩」という意味で,火山灰が凝結してできた岩なのでそのように呼ばれます。
 ここで見られるものは,岩を形成する粒子の大きさから火山礫凝灰岩に分類されます。
 この岩石は,本来は白くなるはずですが,その中に含まれる輝石や角閃石等が熱水変化により緑色に変化しました。


グリーンタフ 正面

グリーンタフ正面 遠景。 右は「ろうそく岩
3.奇岩近傍の三次元地形イメージ

「男鹿半島」南東端の「館山崎」には,「グリーンタフ」など3個?の奇岩が存在します。
グリータフと「椿の白岩」は,凝灰岩の海食崖そのものが奇岩となっており,「ろうそく岩」は,波の侵食により台地から切り離された「岩尖」です。
4.周辺のジオサイトや観光地
男鹿半島・大潟ジオパーク
 この奇岩は,男鹿半島・大潟ジオパークの「潮瀬崎ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。
 このジオサイト(館山崎)では,隣りに立つ「ろうそく岩」と椿漁港近傍の「椿の白岩」も,「日本の奇岩百景+」に登録されています。
☆観光地
 赤神神社五社堂 : ナマハゲ伝説の残る重要文化財 ,なまはげ立像 : 高さ9.99m
 鵜ノ崎海岸 : 日本の渚百選,奇岩「小豆岩」など
 潮瀬崎 : 奇岩「ゴジラ岩」,「ゴジラの尻尾岩」,「ガメラ岩」,「双子岩」と「帆掛島
5.交通(公開時の情報)
  • 鉄 道:JR男鹿線の「男鹿駅」下車。男鹿市[マイタウンバス]の「男鹿南線」に乗車し,「椿漁協」で下車。乗車時間は約20分です。
        バス停からは徒歩約5分です。
  • 自動車: 男鹿総合観光案内所から,県道59号を門前方向へ約21kmで椿漁港に至ります。漁港内の館山公園周辺に駐車スペースがあります。
6.記事,引用情報,お断りなど
 

【記事】
 ・GUPI職員による「男鹿半島・大潟ジオパーク巡検記」はこちらにあります。

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約

【お断り】
 ・奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。地形図については,地図検索のページをご覧ください。

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