- 争奪前,「河川C」は,高原状の所をゆったりと流れていました(緩傾斜)。 侵食は,「下刻侵食」から「側方侵食」の段階に移行しており,谷幅が広くなっていました。
- 「本流A」は,低い場所を流れていました。 ある時,河川Cの近くから河川Cに向かって「支流B」が発達を開始しました。
- 支流Bの草創期,急傾斜の斜面に発生した「ガリ侵食」でしたが,やがて豪雨の度に侵食力を発揮して「谷頭侵食」へと発展し,急速に斜面の上方に向かって進み始めました。 滝の後退と同じ原理です。
- 支流Bの谷頭が河川Cに達すると,河川C(上流)の川水は全て支流Bに流れ込むようになり,争奪場所から河川Cの下流には水が来なくなりました。河川Cの下流側を「風隙」と言います。
- 支流Bの谷頭に流れ込む水量が増加したことにより,谷頭侵食力が格段に強化され,場合によっては「滝が形成」されることもあります。
滝は,今や支流Bとなった上流に向かって進むので,その下流側はほぼ間違いなく渓谷(峡谷)となります。 - 一方,支流Bから河川Cの下流方向に向かう谷頭侵食が発生するので,争奪地点からかつての河川Cの下流側(上図の枝谷b)では「河床勾配」が逆転します。
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