北海道:尾根内川下流の消滅
地形の特徴

海食,海食崖,河道消滅,河川争奪,波食棚

地形と地質の三次元イメージ(産総研・1/20万 シームレス地質図)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「積丹半島」の北西端,「神威岬」近くを流れている「尾根内川」は,尾根内集落の近くで150mを超える断崖絶壁を,
複数の滝を伴いながら落下して日本海に注いでいます。
一方,「余別川」の左隣には並行して北流する小さな川(仮草内川)があり,川の長さに比べると川幅が異常に広い,という特徴があります。
その川は,前後を海食崖で遮られていることから,この川は「尾根内川」の下流部分だったのではないか,と考えるようになりました。
標高段彩図の三次元イメージ :

この角度から眺めてみると,国道が通っている谷(仮,草内川)は「B」点で「断崖絶壁】となって,日本海に落ち込んでいます(懸崖)。
地形をよく観察すると,この「B」点は「C」点,すなわち神威岬トンネル直上の谷に繋がっていたのでは,と想像できます。
更に,この谷も「D」点で再び海食崖に途絶えますが,元々は「E」点,すなわち「尾根内川」へと繋がっていた,と想像できます。 そこで,・・・・・
【河床縦断図】

そこで,現在3本に分かれている各川の断面図を,まとめて図化してみました。
図からは,かつては同じ川だった可能性が限りなく大きい,と考えられます。
後は,現地調査で,「F」~「E」間の岩石が,「D~C」間と「B~A」間から見つかれば,確定となりますが,・・・。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 「河川争奪」とは,ある川の谷頭部が隣接する川に侵入し,その隣接する川の上流部を奪ってしまう,という事象です。 しかし,
    「尾根内川」で起こったことは,日本海(の荒波による海食崖)が,この川を2か所にわたって奪った,ことになります。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】