愛媛県:肱川水系に関わる二つの河川争奪地形(仮説) |
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地形の特徴 |
仮説,河川争奪地形,分水界 |
地形の三次元イメージ : 肱川水系黒瀬川と四万十水系広見川との河川争奪地形(仮説) |
![]() 本三次元イメージは,現在の状況です。 赤い矢印の場所が,肱川水系「黒瀨川」と四万十水系「広見川(鍵山川)」との「分水界」です。 この分水界が,瀬戸内海と太平洋の分岐点の一つ,ということになります。 |
水系変遷の三次元イメージ : 黒瀨川と広見川 |
![]() 黄色の矢印は,現在の流路すなわち水の流れる方向を示しています。 熊原(1998)は,論文405ページで,現在の分水界から北に流れる黒瀨川(正しくは孫支流)の河床堆積物である礫に, 現在の流れの方向に反している証拠(インブリケーションの向き)が見つかった,と述べています。 |
![]() 熊原(1998)が論文で述べた内容を図化してみました。 赤い矢印が,河川争奪前の「分水界」の位置で,黒瀨川のかなり下流側に設定されています。 河川争奪前の分水界の現在の標高は約155m,現在の分水界の標高は255m強です。 論文の指摘が正しいとすると,変位で100m以上の地盤の垂直変動が起こっていたことになります。 |
地形の三次元イメージ : 肘川水系矢落川と同水系小田川との河川争奪地形(仮説) |
![]() 本三次元イメージは,現在の状況です。 赤い矢印の場所が,肱川水系「矢落川」と同水系「小田川」との「分水界」です。 分水界から「肱川」までの距離を比べると,矢落川に比べ小田川の方が圧倒的に長いことがわかります。 なぜ,このように長い距離を迂回しているのか,疑問に思います。 |
水系変遷の三次元イメージ : 肱川本流と同水系小田川 |
![]() 黄色の矢印は,現在の流路すなわち水の流れる方向を示しています。 赤い矢印は「分水界」ですが,その周辺はほぼ平坦な「台地」を構成しており,熊原(1998)は「河成段丘」であると述べています。 |
![]() 熊原(1998)が論文で述べた内容を図化してみました。 赤い矢印が,河川争奪前の「分水界」の位置です。 随分下流側に設定したものだと思います。 河川争奪前の分水界の現在の標高は約30m,現在の分水界の標高は約120mです。 論文の指摘が正しいとすると,変位で90m以上の地盤の垂直変動が起こっていたことになります。 |
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