吾国愛宕ハイキングコースの4名石 類型:動物
  吾国愛宕奇岩(あこくあたごきがん) 茨城県笠間市・
    石岡市
奇岩の写真

団子石の近景

獅子ヶ鼻の近景

屏風岩の近景

鳴滝の近景
1.いわれ,特徴,エピソード等

団子石
 愛宕山から団子石峠を越えると,登山道の真ん中に直径約5mの団子岩があります。

獅子ヶ鼻
 愛宕山から難台山の山頂に向かうと,開けた山間に突き出る岩「獅子ヶ鼻」があります。
 天狗の鼻のようなその岩から望む眺めは格別です。

屏風岩
 獅子ヶ鼻から難台山頂に向かうと,うっそうと茂る樹木の中に,そびえたつ高さ約10mの屏風岩があります。

鳴 滝
 水量は少ないですが長さ数10mにわたって,斜面を伝う清らかな水は枯れることがないといわれています。
 傍らにある階段を上ると『鳴滝不動』と呼ばれるお堂があり,滝に対する信仰心や神秘性がうかがえます。

2.地形・地質の概要

 団子石は,砂岩や泥岩など堆積岩起源の「吾国山変成岩」であり,その源岩は,約2億年前に堆積した地層と考えられています。

 獅子ヶ鼻は,縞状構造を持つ「花崗岩」でペグマタイト脈なども観察できます。

 屏風岩は均質な「花崗岩」の露頭で,以前石材として切り出されたことがあるといわれています。
 注 筑波山女体山頂近くにも同名の「屏風岩」がありますので,ご注意ください。

 鳴滝では,砂岩や泥岩など堆積岩起源の固い「吾国山変成岩」よりなる河床露岩上を,普段は少ない水量が,カスケードのように流下しています。

 (国研)産業技術総合研究所発行の表層地質図によれば,獅子ヶ鼻の南側付近を境界として,北西側の難台山にかけて花崗岩,南東側には筑波変成岩が分布します。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 産総研・地質調査総合センターの1/20万シームレス地質図では,獅子ヶ鼻の南側付近を境界として,北西側の難台山にかけては花崗岩が分布し,南東側には 筑波変成岩が分布しています。
周辺のジオサイトや観光地

筑波山地域ジオパーク
 この奇岩群は,2016年度に登録された筑波山地域ジオパークを構成する4つのジオポイントです。
 本ジオパーク内には,他に「大仏岩」,「屏風岩」,「北斗岩」,「裏面大黒」,「出船入船」,「高天原」,「弁慶七戻り」,「母の胎内くぐり」,「ガマ石」,「セキレイ石」,「立身石」と「御海」の奇岩があります。

☆観光コースの例
 団子石,獅子ヶ鼻,屏風岩は,いずれも笠間市と石岡市の境界である吾国山(標高 518m)~難台山(553m)を結ぶ尾根の延長上にあり,吾国愛宕ハイキングコースとして登山道が整備されています。
 団子石峠までは小型車でアクセスが可能です。
 鳴滝は,愛宕山から団子石に向かう尾根の途中,標高382mのピークの南西斜面,石岡市瓦谷地区に流下する渓流にあります。

交通概況

☆鉄道
 JR常磐線「岩間駅」下車。岩間駅から団子石峠まで,愛宕山を経由して徒歩で約2時間30分かかります。
 峠から団子石までは約20分,獅子ヶ鼻までは約40分,屏風岩までは約1時間を要します。
 鳴滝は,常磐線「羽鳥駅」下車。関鉄グリーンバスの「園部経由恋瀬小学校」行に乗車し,「平沢」バス停で下車。乗車時間は約20分です。バス停からは徒歩約30分です。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。