
注 沖積錐(ちゅうせきすい)とは,扇状地の頂部付近
にある急傾斜のことで,「土石流扇状地」とも言います。 |
- 土石流とは,豪雨あるいは地震時などに渓流や山腹斜面等の堆積物が,不安定化し,濁流として流れ下る現象です。
- 流下過程で更に堆積物,基盤岩の一部,渓岸の樹木などを根こそぎ巻き込み,大きな礫や流木など粒径の大きい物質が先端に集まった高速の流れとなります。
- 大量に降った雨水や渓流の沢水が潤滑剤になるので,岩石だけに比べて流動性が格段に増すため,時速数十キロメートルと言った高速で,渓流を流れ下ります。
- このため,発生を感じた(検知した)時点で逃げようと思っても,逃げ切れるものでは無いでしょう。
- 礫などの粒径の大きい成分は,渓谷の出口付近で「沖積錐」として堆積します。 粘土分などを含む濁流はさらに流下して,下流の河川に合流します。
- そしてその流下域や堆積域に住家があれば,家屋内への土砂や濁水の流入だけでなく,家屋の破壊,流出など人命に係る土砂災害が発生します。
- 土石流の流速やボリュームは流下距離が長く,河床堆積物の量が多く,流域面積が大きいほど大きくなる可能性が高いので,土石流が山頂付近の渓流から流下するケースでは,破壊力や到達距離が大きく,要注意な渓流と言えます。
|