土砂災害と雨量について
 1997年7月 鹿児島県 出水市 針原地区 深層崩壊と土石流の例
出水市針原地区の三次元地形イメージ

「矢筈岳」からほぼ真西に延びる主尾根の末端近くで,南西に分岐する支尾根で「深層崩壊」が発生し増した。
それが引き金(トリガー)となって,大規模な「土石流」が発生したのです。
深層崩壊の状況

① 1997年7月の未明,鹿児島県出水市の針原川で大規模な土石流が発生し,下流域の針原地区では住民21名が犠牲となる災害が発生しました。
② 原因は豪雨による 深層崩壊 です。
③ 被害としては,死者が21名,重軽傷者が14名,住宅被害が16棟(全半壊)で,非住家屋2棟が全半壊しました。


出典: 南九地質(株)
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‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。「土石流範囲図」を表示します。
注 印刷された図面を使用して「土石流範囲図」を作製しました。
背景地図とは厳密には一致しないので,参考図程度として使用してください。
降水量・土壌雨量指数について

・連続雨量:681mm
    (7/7~7/12)
・最大時間雨量:62mm
    (7/9 11:00)
・最大土壌雨量:258mm
    (6/11 05:00)
・土石流発生時刻: 7月10日(01:00)。

・特徴1 最大時間雨量を示した時刻と,土石流が発生するまでの時間差は,約14時間です。
・特徴2 土壌雨量指数が200越えてから,土石流が発生するまでの時間差は8~9時間程度でした。


参考のために,半月以上前からの雨量の状況を図化しました。連続雨量と違って,雨量ゼロによるリセットをしていないので「累積雨量」としました。
参考情報
・牛山 素行他2氏,1997年鹿児島県出水市針原川土石流時の豪雨の特徴,砂防学会誌,Vol.50,No.4,pp.25-29.,1997
・日本の地質案内 > 平成9年針原川土石流災害
・地形と地質の解説 > 土石流について