ピンク色の岩の中に茶色の帯が 類型:伝説
  鬼の俵ころがし(おにのたわらころがし) 秋田県男鹿市

鬼の俵ころがしの全景

鬼の俵ころがしの近景
いわれ,特徴,エピソード等

 重要無形民俗文化財「男鹿のナマハゲ」に代表される男鹿半島には,多くの「鬼」に関係する名前が岩に付けられています。

 ピンク色の花こう岩に貫入する玄武岩が道のようになっており,鬼が米俵を転がした跡のように見えることから,その名で呼ばれています。
 別名,「鬼の田っこ」ともよばれています。

 鬼の俵ころがしでは,約9,000万年前(白亜紀後期)の花崗岩,約7,000万年前(白亜紀後期)の火山角礫岩,約2,100万年前(新第三紀中新世)の粗粒玄武岩(ドレライト)の岩脈と,3つの年代の岩石を一度に見ることができる特に貴重な景観となっています。

 ピンク色の花こう岩に,茶色の玄武岩が貫入している様子は特異な様相を呈しています。

地形・地質の概要

 ピンク色の花崗岩(正確には角閃石黒雲母アダメロ岩)を褐色の粗粒玄武岩(ドレライト)の岩脈が一本の道のように貫いています。

 この花崗岩は,男鹿半島の地層の基盤をなす岩石と考えられていましたが,現在は赤島層中のブロックである可能性が指摘されています。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 「鬼の俵ころがし」は,「入道崎」の西側日本海側に続く「隆起波食棚」に存在します。
 また,その背後には,最低でも3面の「海成段丘面」が存在し,「陸繋島」である男鹿半島が隆起性の大地であることがわかります。
周辺のジオサイトや観光地

男鹿半島・大潟ジオパーク
 この奇岩は,男鹿半島・大潟ジオパークの「入道埼ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。

 このジオサイトには奇岩「鹿落とし」が登録されていますが,その他にも「北緯40゜モニュメント」などのジオポイントが存在します。

☆観光地
 なまはげ館男鹿真山伝承館:重要無形民俗文化財「男鹿のナマハゲ」の学習と体験
 入道埼と同灯台:日本の夕日百選や日本の灯台50選に選定されています。
 鵜ノ崎海岸:日本の渚百選,奇岩「小豆岩」など
 館山崎 : 奇岩「グリーンタフ」,「ろうそく岩」と「椿の白岩
 潮瀬崎 : 奇岩「ゴジラ岩」,「ゴジラの尻尾岩」,「ガメラ岩」,「双子岩」と「帆掛島

交通概況

☆鉄道
 JR男鹿線の「男鹿駅」または「羽立駅」下車。男鹿市[マイタウンバス]「男鹿北線」に乗車し,「温泉中央」で下車。同じく「入道崎線(要予約)」に乗り換えて約20分の終点で下車。そこから徒歩約20分です。

☆自動車
 男鹿総合観光案内所から国道101号線(なまはげライン)を経由し,牧野で県道55号線に入り,入道崎先の長久手岬を越えたところの海岸です。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。