鬼が石を積み重ねたという 類型:伝説
  鬼の隠れ里(おにのかくれざと) 秋田県男鹿市
奇岩の写真

「板場の台」からの鬼の隠れ里

鬼の隠れ里の近景。 後は,寒風山頂の回転展望台
いわれ,特徴,エピソード等

 重要無形民俗文化財「男鹿のナマハゲ」に代表される男鹿半島には,多くの「鬼」に関する名称が岩につけられています。

 鬼の隠れ里は大きな岩を積み上げたような地形になっており,自然に形成されたものというよりは,人工的に積み上げたようにも見えるので,昔の人は鬼が石を積み重ねて作ったものだと言い伝え,鬼が隠れ住んでいる場所,鬼の隠れ里と呼ばれるようになりました。
 それを裏付けるように,中に畳三畳ほどの空間が広がっています。

 「火山岩尖が崩れ落ちた」とも「鬼が岩石を積み上げ隠れ住んだ」ともいわれる不思議なスポットです。

 頂上付近には念仏の刻まれた石碑があり,その脇には日照りが続いても,水を汲み上げても決して水が枯れることのない「弘法の硯石」と呼ばれる不思議な石があります。
 不思議で奇妙な岩石です。

地形・地質の概要

 寒風山第一火口南西端に位置します。

 粘性の大きい安山岩質溶岩が地上に押し上げられたときにできた「火山岩尖(スパイン)」という溶岩ドームの一種です。

 重力に耐えられず崩れ落ち,現在のピラミッドのような形になったと考えられています。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 「寒風山」は,新生代第四紀後期更新世末期の約3万年前頃から,同完新世の約1万年前まで活動した「成層火山」です。「活火山」としては認定されていません。
周辺のジオサイトや観光地

男鹿半島・大潟ジオパーク
 この奇岩は,男鹿半島・大潟ジオパークの「寒風山ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。

 このジオサイトには,「寒風山噴火口」,「板場の台」や「地震塚」といったジオポイントがあります。
 また,近くには「男鹿のナマハゲゆかりの地」というジオサイトもあります。

☆観光地
 なまはげ館と男鹿真山伝承館:重要無形民俗文化財「男鹿のナマハゲ」の学習と体験
 鵜ノ崎海岸:日本の渚百選,奇岩「小豆岩」など
 館山崎 : 奇岩「グリーンタフ」,「ろうそく岩」と「椿の白岩
 潮瀬崎 : 奇岩「ゴジラ岩」,「ゴジラの尻尾岩」,「ガメラ岩」,「双子岩」と「帆掛島

交通概況

☆鉄道
 JR男鹿線の「男鹿駅」あるいは「脇本駅」からタクシー利用になります。
 詳細は,男鹿総合観光案内所などに問いあわせてください。

☆自動車
 男鹿総合観光案内所から,国道101号線(なまはげライン)を経由して寒風山パノラマラインに入り,案内所から約12キロ走行します。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。