岩屑なだれについて |
岩屑(がんせつ)なだれとは |
岩屑なだれとは,低温の火山砕屑流(火砕流)のことで,地震,水蒸気爆発や火山帯の急激な変形などによって火山体の一部が崩壊(山体崩壊)し,渓流を高速で流れ下る現象です。 火山噴出物は火山灰や火山砂など細粒成分が多いため,ガスとの相乗効果により流動性が極めて高くなり,時速100km程度の流下速度を示す場合もしばしば見られるようです。 とても逃げ切れる速度ではありません。 山体崩壊は,多くの火山灰と軽石を噴出し,不安定な堆積状況にある火山であれば,どの火山でも発生します。 崩壊する山体物質の多くは,火山灰,火山砂や火砕流噴出物ですが,これらは固まっていない物質,すなわち,岩盤や溶岩ではないのです。 このページの最下段に,実際の岩屑なだれを紹介しているリンク先を掲載しましたが,いわゆる「活火山(現在死語)」と呼ばれている有名な火山が多数登場します。 流下した岩屑なだれが堆積する部分には,流れ山とよばれる小さな丘が形成されます。 これは,流れ下って来た岩石の破片が,何らかの理由で集まってできたものです。 できた時は、頭が尖っているようですが,風化によって次第に丸くなるようです。 |
岩屑なだれの事例(御嶽山) | |
国土地理院10mDEMをKashmir3Dで処理(背景は地理院タイル) 地図をクリックすると拡大します。 |
|
【参考資料】三村 弘二ほか3氏:1984年御嶽岩屑なだれ-堆積物からみた流動・堆積機構-,地質調査所月報,第39巻,第8号,pp.495-523.,1988年 |
岩屑なだれが発生した火山の例(産総研,シームレス地質図による) | |
有珠岳の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
岩手山の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
鳥海山の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
磐梯山の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
那須岳の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
八ヶ岳の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
富士山の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
雲仙岳の岩屑なだれ 【産総研・地質調査総合センターサイト】 |
岩砕なだれの実例を紹介しているウェブサイト | ||
|
2023年10月21日 再々編集 |