長崎県:眉山の崩壊と流山の九十九島
   (日本の地質案内:島原大変肥後迷惑)
地形と地質の特徴

溶岩円頂丘,山体崩壊,岩屑なだれ,岩屑なだれ堆積物,流れ山

地形と地質の三次元イメージ : 眉山と九十九島
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/2.5万 雲仙火山地質図(出典,下記)」を表示します。

「九十九島」の正面にあって,山頂部が崩壊している山が「眉山」です。
眉山は山頂が二つある「双耳峰」ですが,九十九島を作った大崩壊を起こした眉山は,向かって左側です。
地形の三次元イメージ : 眉山の東山麓

「島原大変肥後大迷惑」と言われた「大災害」は,1792年に発生した「眉山・天狗岳」の「山体崩壊」とそれに伴う「岩屑なだれ」と「大津波」のことです。
なお,同じ眉山に属する「七面山」の斜面も,侵食によってかなり大規模な「山崩れ」が発生しており,山麓には「扇状地】が発生しています。
【地上写真】 九十九島,【参考図】 沿岸海域土地条件図

                (左)九十九島(写真A)。                    (右)沿岸海域土地条件図「島原」(出典,下記)。         
【投稿者による写真とその説明】

正面は眉山(天狗山)で,右奥が眉山(七面山)です。(写真B)

【投稿者:岩松 暉氏】   2007.8.21

  • 寛政3年(1791年)から寛政4年(1792年)にかけて、雲仙普賢岳が溶岩(新焼溶岩)の流出を伴う噴火活動を行いました。
    活動も収束に向かった5月21日直下で地震が発生、眉山(前山)の一部である天狗岳が大規模に崩壊しました。
    土石流や岩屑なだれは城下を襲うとともに海まで達し、津波を発生させました。
    その結果、対岸の熊本側にも大被害を与えました。 「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる所以です。 死者は15,000人に達したと言われています。
    この崩壊に関しては火山爆発説、地震崩壊説および地すべり説など諸説があります。
  • 写真Bは眉山で、現在でも崩壊がしばしば発生しています。
    写真Aは海になだれ込んだ流れ山で、九十九(つくも)島と呼ばれています。
    昔はもっとたくさんの島々がありましたが、浸食されて少なくなったそうです。
    しかし、沿岸海域土地条件図「島原」を見ると、海底地形にはっきりと残っています。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地形千景+α:眉山の崩壊と流山の九十九島」と「日本の地質案内:島原大変肥後迷惑」を統合したものです。
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