長崎県:雲仙火山(平成新山)
地形と地質の三次元イメージ : 雲仙火山
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

1990年7月より微動が観測されるなど,徐々に噴火活動が始まりました。 11月17日に,普賢岳東側と九十九島火口で噴火しました。
1991年2月に屏風岩火口が噴火しました。 また,5月20日には「地獄跡火口」に「溶岩円頂丘(ドーム)」が成長を始めました。
この溶岩円頂丘は6月8日に大崩壊し,死者行方不明計43名の「火砕流災害」を引き起こしました。
地質の三次元イメージ : 雲仙火山

「普賢岳」や「稲生山」なども「溶岩円頂丘」です。 玄武岩のような粘性の低い溶岩ではないので,丸く盛り上がった「ドーム」になるのでしょう。

「溶岩円頂丘」で怖いのは,山頂の崩壊によって発生する「火砕流」です。 玄武岩溶岩の流れる速度よりもはるかに速い,という特徴があります。
イタリアの「ポンペイ遺跡」も,「ベスビオ火山」による火砕流が原因でした。
地質の三次元イメージ : 平成新山の火砕流堆積物

「平成新山」からの「火砕流堆積物」は,「溶岩円頂丘」にできた崩壊地から流れ下ったことがわかります。
1991年6月8日に発生した崩壊の痕跡と思われます。
【空中写真】 雲仙火山

「眉山」のすぐ下,赤茶色の山頂が,1991年に噴火した「平成新山」です 。 「普賢岳」よりも120m余り高くなりました。
 「水無川」の流域は火砕流堆積物などに覆いつくされ,水が流れるのは降雨の時だけだ,と言います。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約
 ・渡辺 一徳・星住 英夫: 日本の活火山,2.5万分の1 雲仙火山地質図 ,工業技術院地質調査所,1995年
   三次元地質図の作成に使用した火山地質図は,産業技術総合研究所・地質調査総合センターから公開されている「地質図ラスタタイル」を利用しました。

【参考情報】
 ・日本の地形千景 > 眉山の崩壊と流れ山の九十九島
 ・地質情報ポータルサイト > 長田 真宏 > 島原半島ジオパーク旅行記
 ・気象庁 > 雲仙岳