宮崎県:五ヶ瀬川が阿蘇火砕流を侵食してできた高千穂峡
地形の特徴

阿蘇火砕流堆積物,五ヶ瀬川,箱状谷,峡谷,下刻侵食

地形と地質の三次元イメージ : 高千穂峡及び周辺の五ヶ瀬川
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中生代前期ジュラ紀の「付加帯(秩父帯)」のところに,阿蘇カルデラが起源となる「阿蘇火砕流」が4度も押し寄せて,当時の山と谷を埋めてしまいました。
付加帯に比べて火砕流は軟らかいので,「五ヶ瀬川」は強大な「下刻侵食力」を発揮して,随所に深い谷を形成しました。
「高千穂峡」のあたりでは,川幅の狭い「箱(函)状谷)」となっており,川幅一杯に川水が流れているので,舟に乗らないとたどり着けません。
地形用語の箱(函)状谷のことを,登山用語では「ゴルジュ」とか「廊下」と表現します 。黒部峡谷の「下の廊下」や「上の廊下」がその例です。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 高千穂峡

阿蘇火砕流は,「Aso-1」~「Aso-4」に区分されています(下記,記事参照)。
「柱状節理」が最もよく発達している「Aso-3(阿蘇3火砕流堆積物:溶結凝灰岩)」は,高千穂峡の付近では,「箱(函)状谷)」の下半分ほどに現れています。
両岸は,切り立った絶壁となっているために,岩壁を詳しく観察するためには高価な賃貸ボートに乗船する必要があるのです。
【引用写真】 高千穂峡の箱状谷に出現している阿蘇3火砕流堆積物

画像出典:産業技術総合研究所・地質調査総合センター
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【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「阿蘇火山」は,新生代第四紀中期更新世(約30万年前頃)から後期更新世前期(約9万年前頃)の間に,4回の大規模噴火を起こしました。
    その際に噴出された大量の噴出物は,当時の地表のほぼすべてを覆い尽くすように,山麓へと斜面を流れ下りました。「阿蘇火砕流堆積物」です。
  • 阿蘇火砕流堆積物は,古いものから順に「Aso-1火砕流堆積物」,・・,「Aso-4火砕流堆積物」と命名されており,以下はその主な特徴です。
  • Aso-4火砕流堆積物(約 9万年前頃): 火砕流台地の表面に薄く堆積しています。地表は溶結していないため,軽石の空隙は潰れていません。
  • Aso-3火砕流堆積物(約13万年前頃): 地表近くは非溶結ですが,深度が増すにつれ強固な「溶結凝灰岩」へと変化します。
        「柱状節理」が発達している場所では,節理面に沿って凝灰岩が崩落するので,ほぼ垂直の絶壁を形成しています。
  • Aso-2火砕流堆積物(約15万年前頃): スコリアが含まれており,溶結の程度はやや弱く,急な斜面を形成しています。
  • Aso-1火砕流堆積物(約30万年前頃): 「蘇揚峡」付近の「五ヶ瀬川」の河床に分布しています。 溶結度が最も高く侵食に強いという特徴があります。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】