大分県:大野川が阿蘇火砕流を侵食してできた地形(豊後大野市)
地形の特徴

阿蘇火砕流堆積物,河岸段丘(河成段丘),谷中谷,穿入蛇行

地形と地質の三次元イメージ : 大野川中流域
‼マウスオーバー‼    地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万,シームレス地質図」を表示します。

中生代後期白亜紀の「大野層群」が広く堆積していた場所に,阿蘇カルデラが起源の「阿蘇火砕流」が4度も押し寄せて,当時の山と谷を埋めてしまいました。
最後の「阿蘇4火砕流堆積物(Aso-4)」は比較的軟らかいので,「大野川」とその支流群は大きな「侵食力」を発揮して,幅の広い川原を形成しました。
地質図で ピンク色  に塗られているところが「Aso-4」で,その下位には「阿蘇3火砕流堆積物(Aso-3)」が分布しています。
しかし,「ASo-4」に覆われていて,「Aso-3」は「原尻の滝」付近など,部分的にしか出現していません。
本図の範囲内において,数箇所の「滝」等が存在しています。 新たな「遷急点」が出現しているのです。
地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 大野川水系緒方川の河川地形

「緒方川」には,幅広の谷底があります。 地質図では谷底の地質は「河成段丘面」ではなく,「河川堆積物(完新世)」とされています。
よく見ると,新しい「遷急点」が活動中なので,そろそろ段丘面に区分変更しても,と思います。
「原尻の滝」は,河床直下に分布する「Aso-4」に懸かる直瀑です。 上流に向かって湾曲する一方,広大な滝壺を有しています。
「早川ほか(2005)」では,後退速度は1m~7m/100年とされているので,この滝は「Aso-4」が押し寄せた時に生まれた滝なのかもしれません。
なお,大野川本流に1箇所「還流丘陵」が存在します。 現河床と旧還流部の標高差は約30mなのですが,周辺には段丘面が見当たりません。
【現場写真】 阿蘇4火砕流堆積物と原尻の滝

画像出典: ANA・旅のアイデア・原尻の滝
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地形(標高段彩図)の三次元イメージ : 大野川の沈堕滝(遷急点)と河成段丘

「大野川」の「河成段丘」は,「奥岳川」の合流点付近から下流側に発達しています。
概ね2面の段丘があります。 現河床から40m程度高い段丘面と,同じく10m前後の段丘面です。
【記事・引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「阿蘇火山」は,新生代第四紀中期更新世(約30万年前頃)から後期更新世前期(約9万年前頃)の間に,4回の大規模噴火を起こしました。
    その際に噴出された大量の噴出物は,当時の地表のほぼすべてを覆い尽くすように,山麓へと斜面を流れ下りました。「阿蘇火砕流堆積物」です。
  • 阿蘇火砕流堆積物は,古いものから順に「Aso-1火砕流堆積物」,・・,「Aso-4火砕流堆積物」と命名されており,以下はその主な特徴です。
  • Aso-4火砕流堆積物(約 9万年前頃): 火砕流台地の表面に薄く堆積しています。地表は溶結していないため,軽石の空隙は潰れていません。
  • Aso-3火砕流堆積物(約13万年前頃): 地表近くは非溶結ですが,深度が増すにつれ強固な「溶結凝灰岩」へと変化します。
        「柱状節理」が発達している場所では,節理面に沿って凝灰岩が崩落するので,ほぼ垂直の絶壁を形成しています。
  • Aso-2火砕流堆積物(約15万年前頃): スコリアが含まれており,溶結の程度はやや弱く,急な斜面を形成しています。
  • Aso-1火砕流堆積物(約30万年前頃): 「蘇揚峡」付近の「五ヶ瀬川」の河床に分布しています。 溶結度が最も高く侵食に強いという特徴があります。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】