秋田県・山形県:鳥海火山の火山地形[溶岩流,山体崩壊と岩屑なだれ]
      (日本の地質百選:鳥海山)
地形の特徴

溶岩流,山体崩壊,岩屑なだれ,流れ山,堰止湖,日本百名山

地形と地質の三次元イメージ : 鳥海火山とその広域南面
三次元地形図上でマウスクリックすると「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

1/20万 シームレス地質図 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
鳥海火山は,古期鳥海火山,西鳥海火山と東鳥海火山から構成される複合火山です。 夫々の火山の関係は,下表のように考えられています。
火山体名 活 動 年 代 ステージ 主 な 火 山 活 動
東鳥海火山 第四紀・完新世 b 中央火口丘の活動
馬蹄形カルデラの形成(象潟岩屑なだれ)
a 成層火山体の形成及び側火山の活動
西鳥海火山 第四期・後期更新世後期
(約16万年前~約1万年前)
d 中央火口丘の活動
c 東鳥海火山の活動
馬蹄形カルデラの形成
b 成層火山体及び側火山の活動
a 成層火山体の形成
古期鳥海火山 第四期・更新世・チバニアン期
(約60万年前~約16万年前)
火山体の形成
地形と地質の三次元イメージ : 鳥海火山の広域北面と象潟岩屑なだれ
三次元地形図上でマウスクリックすると「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

1/20万 シームレス地質図 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 新生代第四紀完新世(紀元前466年)に,東鳥海火山の北側山頂部が山体崩壊を起こし,巨大な「馬蹄形カルデラ」が形成されました(詳細,以下)。
  • 山体崩壊によって大量の岩屑などから構成される「象潟岩屑なだれ」が発生し,大きく2方向に流れ下りました。
    ① 日本海に向かって流下したグループは,南の象潟付近から北の芦田岬を超えたあたりにまで達しました。
      随所に「流れ山」を形成すると共に,芭蕉の句で有名な「象潟」を陸地に変えました。
    ② 流下の途中で右側に向かったグループは,「大潟溜池」や「琵琶沼」などの凹地に加え,広範囲の湿地帯を形成しました。
  • この象潟岩屑なだれは,5万分の1地質図幅『鳥海山及び吹浦』の範囲外のために記載はありません。 縮尺から,20万分の1シームレス地質図が最適です。
地形と地質の三次元イメージ : 東鳥海火山・馬蹄形カルデラと荒神ヶ岳溶岩(Ⅲb1)
三次元地形図上でマウスクリックすると「5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 紀元前466年に発生した「象潟岩屑なだれ」の後,馬蹄形カルデラの中に「新山」と呼ばれる火山活動が起き,幾筋もの「溶岩流」が流れ下りました。
  • 最終的には「荒神ヶ岳溶岩ドーム(円頂丘)」が形成されて現在に至っています。
  • このため,馬蹄形カルデラから山腹のかなり下まで,象潟岩屑なだれ堆積物は「荒神ヶ岳溶岩」に埋もれて確認できないようです(地質図に記載なし)。
  • 最も新しい火山活動は,1974年2月~5月にかけて,荒神ヶ岳(A)付近で数回の「水蒸気爆発(噴火)」が発生しました。
    積雪期であったために,噴火に伴う降灰と融雪水による「泥流」も発生しましたが,カルデラ内で収まったようです。
地形と地質の三次元イメージ : 猿穴溶岩(完新世,Ⅲa1)
三次元地形図上でマウスクリックすると「5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 西斜面は第Ⅱステージの「西鳥海火山」の活動で形成されたのですが,第三ステージになって最初の火山活動が,この西斜面にある「猿穴火口」でした。
    噴出した溶岩(猿穴溶岩:Ⅲa1)が大量に噴出し,その先端は後に「有耶無耶の関」が建設された,岬の先端(日本海)にまで達しました。
  • 完新世の火山活動で噴出した「猿穴溶岩」には,「溶岩ジワ」や「溶岩堤防」がきれいに残っています。
  • 「観音森」は,第二ステージの前期に活動した火山で,現在の形状は「溶岩円頂丘(ドーム)」です。
地形と地質の三次元イメージ : 西鳥海火山・馬蹄形カルデラと万助道溶岩(Ⅱd2)
三次元地形図上でマウスクリックすると「5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
お断り 右側の三次元地形図は,光線の関係で凹凸が逆転して見える場合があります。 ご容赦ください。
  • 「万助道溶岩(Ⅱd2)」は,ステージⅡ(西鳥海火山)で発生した「馬蹄形カルデラ」の中央火口丘から,南斜面に流下した「安山岩溶岩」です。
  • 馬蹄形カルデラの末端部では傾斜が急なためか,「溶岩堤防」が発達しています。
  • 高さ50mから100mの「溶岩末端崖」が最大の特徴でしょう。
地形と地質の三次元イメージ : 法体溶岩(Ⅱc2)と大蕨岩屑堆積物(Owd)
三次元地形図上でマウスクリックすると「5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

5万分の1 地質図幅『鳥海山及び吹浦』 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 「法体溶岩」は,下玉田川と赤沢川に挟まれた細長い台地を構成していますが,これは両河川が浸食した結果の地形でしょう。
    また,「上玉田川」と「赤沢川」は合流して法体溶岩を削って「玉田渓谷」や「法体の滝」などを形成しました。 火山の力と共に,流水の力も脅威ですね。
  • 法体溶岩の噴出年代は,西鳥海火山の馬蹄形カルデラの形成後であると言われており,「溶岩ジワ」も残っています。
  • 一方,「下玉田川」と「赤沢川」による侵食のため,かなり深い谷が形成されています。 軟らかいのでしょう。
  • 「大蕨岩屑堆積物」は,いわゆる「岩屑なだれ堆積物」のことです。 第Ⅰステージの初期段階での噴出物が崩壊したようです。
  • 大蕨岩屑堆積物に隣接して分布する「観音寺層(Ks)」 及び「常禅寺層(Js)」は,古鳥海火山の活動以前の堆積物です。
    固結(岩石化)していないため侵食に弱く,細かな凹凸地形はその為だと思われます。
  • 一方,「天狗森火砕岩(Tv)」は,古鳥海火山の活動以前に活動した火山の噴出物です。
鳥海山(行者岳)

この登山ルートは,深田久弥の登山ルートを一部再現しました。
  • 深田久弥が登頂したという「鳥海山」の最高地点(2,229m)への登山道は,現在消滅しているようなので「行者岳(2,159m)」までとしました。
  • 当時の登山口は麓の「吹浦集落」のようです。 現在では,中腹の「大物忌神社中ノ宮」まで自動車道が開通しているので,そこを出発点としました。
  • したがって,標高差は約1,080mとなりますが,途中には下りもあるので,累積の高さは1,200mぐらいでしょうか。
  • また,累積距離は約7km弱と推定されることから,登頂までおおよそ4時間と思われます。
【現場写真】
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本サイトの概要については ここをクリックしてください
  • リニューアルに際し,右のようにタイトルを変更しました。
       旧:鳥海山の山体崩壊と岩屑なだれ ➡ 新:鳥海火山の火山地形[溶岩流,山体崩壊と岩屑なだれ]