北海道:十勝火山群(十勝岳,大正火口,泥流,上ホロカメトック山)
地形の特徴

火山噴火,泥流,溶岩流,カルデラ,火砕流,火山地形,岩屑なだれ,山体崩壊,日本百名山

地形と地質の三次元イメージ : 十勝火山群
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  • 「十勝火山群」は,「十勝岳」~「上ホロカメトック山」を中心とする,噴火口,溶岩流・火砕流と崩壊や侵食の集合体であることがわかります。
  • 中でも十勝岳は,最近まで活動し続けている第一級の「活火山」なのです。
  • 十勝火山群の特徴は,西側斜面が急峻で,東側斜面が緩やかという,非対称山稜です。 噴出物に差でもあるのでしょうか?。
火山地質図の三次元イメージ : 十勝岳

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  • 十勝火山群の中で最も新しい火山が「十勝岳」です。 有史以来,規模の大きかった噴火は,
    1926(大正15)年:水蒸気噴火・マグマ噴火。 中央火口丘の山体崩壊,それに伴う岩屑なだれと泥流(f3)など。大正火口生成。死者146名。
    ②1962(昭和37)年:水蒸気噴火・マグマ噴火。巨大な噴石,大量の火山灰。グラウンド火口南西壁沿いに新規火口(62-Ⅱ)やスコリア丘生成。死者5名
  • 最近の主な火山活動は,1988(昭和63)年,1998(平成10)年,2004(平成16)年,2012(平成24)年,2017(平成29)年などです。
地形の三次元イメージ : 1926年の大正火口と噴火による泥流

「大正火口」は,1926年5月に噴火した火口です。 元々「中央火口」と呼ばれていた火口ですが,南側の火口壁が崩壊し,「岩屑なだれ」が発生しました。

噴火当時は積雪があったため,「岩屑なだれ」は雪解け水と混合して「泥流」と化し,高速で流下して「富良野川」と「美瑛川」に流れ込みました。
資料によると,噴火後30分足らずの間に「上富良野市街地」に達したとのことです。 河川敷にいたならとても逃げきれなかった,でしょう。

第四期更新世の大規模火砕流を横切る形で「ピリカ富良野川」が流れています。 元々,ここには何かの構造線があったのかもしれません。
美瑛川の標高は約400mなのに対し,ピリカ富良野川の屈曲部の標高は約360mです。
後者の下刻力(侵食力)次第ですが,ひょっとすると美瑛川が曲げられるかもしれませんね。
地形の三次元イメージ : 上ホロカメットク山山群

「上ホロカメットク山」は,約6万年前に噴出した安山岩質の溶岩です。
現在も噴火を継続している「十勝岳」とは異なって,侵食が激しいために大きな「開析谷」が形成されています。
【現場写真】 十勝岳とその周辺

右側で盛んに噴気をあげている火口は「62-2火口」で,左側の噴気は「大正火口」です。撮影場所:上富良野町 かんのファーム
大正火口の手前側半分は,山体崩壊によって崩れ去りました。 10本程の「ガリ侵食」は,火口内側の壁にできているものです。

望岳台からの「大正火口」の内側です。 火口壁の北側からは「火山ガス」が立ち上っています。
火口壁にできている9条ほどの「ガリ」からの雨水は,一つのガリーにまとまって,写真正面に流れ下ってきています。
「62-Ⅱ」火口から噴き出ている火山ガスを通して,「十勝岳」の山頂が見えています。
十勝岳
  • 十勝岳への登山ルートのうち,よく利用されているものは標高約1270mの「十勝岳温泉」から登り始めるルートと,標高約940mの「望岳台」からのルートがあります。
  • 諸情報をまとめると,十勝岳温泉からのルートは登り約5時間で,望岳台からは約4時間のようです。
  • 十勝岳温泉~望岳台まで,車で30分弱の距離なのですが,車をどちらかに置くとなると,色々な問題が発生しそうですね。
【現場写真】

「十勝岳温泉」の屋上から撮影しました。 「上ホロカメトック山」の溶岩類は,6万年前後の噴出とのことです。
その後の年月で,このような大きな谷ができてしまった,という雨水の侵食力の巨大さにも驚かされます。
「化物岩」については,下記の情報を参照してください。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:そしえて文庫81,地図の風景 北海道編Ⅰ 道南・道央,pp.129-133.,そしえて刊,1979年11月20日
  • 内閣府,防災情報のページ > 1926 十勝岳噴火
  • 日本の奇岩百景プラス > 化け物岩
  • 日本の奇岩百景プラス > 夫婦岩

【お断り】