片目での立体視(Stereopsis with one eye)
立体視とは
  • 「地図の立体視とは二枚の地図を左右に並べて立体鏡で見ることではない。 ジーッと見ているうちに模型のように浮き上がってみえることで,なれてくると模型以上に細かく,小さい山のかげや,一寸した丘の凹みまでが実際と同じように見えてくる。」 故川崎逸郎著『風景あるくの記』より
  • 基本は両目で見ての立体視なのですが,「片目で見た方が見やすい」場合もあります。
    その際の注意点を,以下の事例を使ってお話します。
  • 空中写真や地形図(地理院タイル : 2.5万分の1地形図相当)は,本ウェブサイトの地図検索ページなどで自由に閲覧できるので,試してみてください。
空中写真を片目で見るとどうなるでしょうか(その1)
  • 左上の写真は,北海道の雄島半島にある「鶉ダム湖」の空中写真です。 国有林を管理するために,林野庁が撮影したものです。
  • 谷間にあるはずの湖面が浮き上がって」見えませんか?(個人差有り)
    右上の地形図(地理院タイル)を参照すると,実際は谷間にあることがわかりますね。
  • 北半球の空中写真では,「日影は尾根の北側」にできるので,谷間がまるで尾根のように浮き上がって見えてしまう場合があるのです。
  • このように見える場合には,下の段のように 空中写真を180°回転 してください。 地表の凹凸を正しく認識できるようになります。
空中写真を片目で見るとどうなるでしょうか(その2)
でマウスクリックすると「180°回転させた画像(空中写真,地理院タイル)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。
  • この空中写真も,180゜回転させた方が地表の凹凸(谷や尾根)がわかり易い例だと思います(個人差有り)。
  • そのままの空中写真を見て,「矢沢」をエッジの鋭い尾根であると立体視してしまう人は,注意して写真判読をする必要があります。
  • そのままの空中写真で正しく立体視できる場合は,本ページは読み飛ばしても結構です。
空中写真を片目で見るとどうなるでしょうか(その3)
  • この例は,多くの人がそのまま(写真を回転せずに)で地表の凹凸がわかるのでは,と思います(個人差有り)。
  • 主尾根や川の方向が南北であること,日影がそれ程強くないこと,などの条件が良かったのでしょう。
片目で見ると高い所が浮き上がって見えますが,・・・・・
  • 「高座山」から「杓子山」にかけての稜線(尾根)が そのまま尾根として見える のは何番でしょうか。
  • 「高座山」から「杓子山」にかけての稜線(尾根)が 谷間のように見える のは何番でしょうか。
  • 編集者の場合,尾根が尾根として(浮き出て)見えるのは,①と④で,尾根が谷間として(沈んで)見えるのは②と③です。
  • これは,その人の見え方なので正解はありません。 ご自身の眼の見え方を理解していただくだけで結構です。
    体調によっても変わりますし,一度浮き上がって見えたなら,地形図を回転させても,浮き上がったところが変わらない場合があります。
陰影付地形図の場合はどうでしょうか
  • 「高座山」から「杓子山」にかけての稜線(尾根)が そのまま尾根として見える のは何番でしょうか。
  • 「高座山」から「杓子山」にかけての稜線(尾根)が 谷間のように見える のは何番でしょうか。
  • これらは日影を付けた「陰影地形図」で,太陽の位置(光線の方向)によって ①~④の番号を付けました。
    編集者の場合,通常は①を採用しており,谷間を浮き上がらせたい場合にのみ③か④を使用します。
  • 太陽光線の当たり方によって,尾根が浮き上がって見えたり沈んで見えたりします。 影(光線)の方向は,立体視において極めて重要なのです。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】