【奇岩周辺の地形と地質】
- ベアーズ・ロックを含む志原海岸一帯には,新世代新第三紀中新世(約2,000万年前~約1,600万年前頃)に堆積した,砂岩と泥岩が複雑に堆積した砂岩泥岩互層の「田辺層群」が分布しています。
- 田辺層群は,「海食崖」,「海食洞」,「波食棚」などの海岸地形が発達しているのが特徴です。
- 地層が南西に緩く傾斜すると共に,礫岩・砂岩が硬く泥質岩が軟かいため,「差別風化・侵食」による小規模な「ケスタ」が形成されました。
- 田辺層群の特徴を顕す奇岩として「ひき岩群」が登録されています。
- 日置川下流の右岸側に,巨大な「還流丘陵」が形成されています。 詳しくは参考情報からアクセスしてください。
【奇岩の特徴】
- 写真では,ベアーズ・ロックは砂浜の上に頭を出したように見えますが,実は田辺層群の「(隆起)海食棚」の上に載っています。
- すなわち,田辺層群が形成する「ケスタ」だった岩塊が,波の侵食によってロックの周辺が全て平らな「海食棚」になってしまったのでしょう。
- ベアーズ・ロックの鼻の下が窪んでいるのは,波の侵食でできた「ノッチ」です。 今よりも海面が高かったことを示しています。
- ベアーズ・ロックは,その背後から延びている幅の狭い尾根の延長線上にあります。
- 昔は同じ尾根だったのが,縄文時代の「海進(海水面の上昇)」の頃に,尾根の鞍部が海の波の侵食で削られ,低くなったものと想像します。
- 現在,その鞍部が海面の下であるならば,地形的に「陸繋砂州(トンボロ)」になります。
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