ヒグマが砂に埋もれている? 類型:動物
  ベアーズ・ロック(べあーず・ろっく) 和歌山県白浜町
【奇岩の写真】

志原海岸からのベアーズ・ロック。
【いわれ,特徴,エピソード等】
  • 和歌山県白浜町日置の国道42号線沿いにある志原海岸は「道の駅 志原海岸 海来館」のすぐそばにあり,和歌山県の代表的な海岸景勝地です。
  • その海岸に,はっきりと見えるクマの横顔!。 まさに,地中から頭だけ出して海を静かに見つめる巨大なクマです。
  • 耳の部分が岩木の緑でフサフサしているのがかわいらしい。 まるで,目の前にある太平洋の海やこの土地日置川を見守るように・・・。
  • 昔々,熊野水軍もこの景色を大海から見たのでは?と思うと,感慨深いものがあります。
  • 和歌山紀伊半島には,熊野古道・熊野灘等々と,熊に関連するものが多いことで,この岩になぜか偶然ではないような親近感さえ感じます。
  • そして,これからも何百年先も雄大な姿でここ「日置志原海岸」にあり続け,この絶景を守り抜いていってほしいと考えています。
【地形と地質の三次元イメージ】


20万分の1 シームレス地質図(出典,下記)

【奇岩周辺の地形と地質】

  • ベアーズ・ロックを含む志原海岸一帯には,新世代新第三紀中新世(約2,000万年前~約1,600万年前頃)に堆積した,砂岩と泥岩が複雑に堆積した砂岩泥岩互層の「田辺層群」が分布しています。
  • 田辺層群は,「海食崖」,「海食洞」,「波食棚」などの海岸地形が発達しているのが特徴です。
  • 地層が南西に緩く傾斜すると共に,礫岩・砂岩が硬く泥質岩が軟かいため,「差別風化・侵食」による小規模な「ケスタ」が形成されました。
  • 田辺層群の特徴を顕す奇岩として「ひき岩群」が登録されています。
  • 日置川下流の右岸側に,巨大な「還流丘陵」が形成されています。 詳しくは参考情報からアクセスしてください。

【奇岩の特徴】

  • 写真では,ベアーズ・ロックは砂浜の上に頭を出したように見えますが,実は田辺層群の「(隆起)海食棚」の上に載っています。
  • すなわち,田辺層群が形成する「ケスタ」だった岩塊が,波の侵食によってロックの周辺が全て平らな「海食棚」になってしまったのでしょう。
  • ベアーズ・ロックの鼻の下が窪んでいるのは,波の侵食でできた「ノッチ」です。 今よりも海面が高かったことを示しています。
  • ベアーズ・ロックは,その背後から延びている幅の狭い尾根の延長線上にあります。
  • 昔は同じ尾根だったのが,縄文時代の「海進(海水面の上昇)」の頃に,尾根の鞍部が海の波の侵食で削られ,低くなったものと想像します。
  • 現在,その鞍部が海面の下であるならば,地形的に「陸繋砂州(トンボロ)」になります。
【引用情報,お断りなど】
【引用情報】
【参考情報】
【お断り】
  • 奇岩の位置については,地図検索のページをご覧ください。
  • 旧版において掲載していた「周辺のジオサイトや観光地」と「交通概況」については,情報が陳腐化してきたことから削除しました。 メジャーな検索サイトのご利用をお願いします。
【奇岩の位置座標】

座標データ: 135.4322238 : 33.5675631