島めぐりの絶景 類型:人工物
  大桟橋(だいさんきょう) 秋田県男鹿市
奇岩の写真

舞台島駐車場からの大桟橋

戸賀観光遊覧船上からの大桟橋
いわれ,特徴,エピソード等

 大桟橋は浸食作用によってえぐられてできた天然の石橋で,男鹿半島を代表する景観のひとつとなっています。

 遊覧船による「島めぐり」の絶景ポイントで,波が穏やかな時は中を潜り抜けられるアーチ状になっています。

 男鹿半島では西海岸を海上から探勝することを「島めぐり」と呼んでいます。

 江戸時代の紀行家,菅江真澄は現在の観光遊覧船とほぼ同じコースを丸木舟でこの「島めぐり」をしています。
 客を乗せた小さな船が大桟橋をくぐるところが「男鹿の島風」(文化7年-1810年)に描かれていることから,菅江真澄が訪れた江戸時代にはすでに行楽の観光地だったことが伺えます。

地形・地質の概要

 門前層と呼ばれている約3,600万年~2,900万年前(古第三紀始新世)の火山噴出物の堆積によってできた地層です。

 大桟橋を構成する岩石は,玄武岩質スコリアで,波の浸食によりアーチ状にくり抜かれたと考えられています。

 江戸時代前期に描かれた「男鹿図屏風」(秋田県指定文化財)では,離れ島として描かれておりますが,現在はその後の隆起等により半島と陸続きにつながっております。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 「男鹿半島」南東海岸には,「大桟橋」など3箇所の奇岩が存在します。
 この中で,桜島と大桟橋は「隆起波食棚」で,舞台島はかつての隆起波食棚が更に上昇して「海成段丘」となった場所に存在します。
4.周辺のジオサイトや観光地

男鹿半島・大潟ジオパーク
 この奇岩は,男鹿半島・大潟ジオパークの「西海岸ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。
 同じジオサイトでは,「舞台島(ぶたいじま)」が日本の奇岩百景+に登録されています。
 また,「門前海岸」,「竜ヶ島」,「門前大滝」や「孔雀の窟(こうじゃくのいわや)」といったジオポイントもあります。

☆観光地
 男鹿水族館GAO:北3km
 加茂青砂集落:
 青砂海岸:青の砂利が敷き詰められたような海岸

交通

☆自動車
 男鹿総合観光案内所から,国道101号線(なまはげライン)を「羽立」まで。県道59号に入り「椿漁港」などを経由して「戸賀港」まで進みます。
 戸賀港からの「西海岸めぐり遊覧船」に乗車し,海上からの見学を推奨します。遊覧船からは,「鎧島」や「鷹ノ巣断崖」なども見ることができます。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。