銀千貫の岩付き松 類型:歴史
  千貫松島(せんがんまつしま) 鳥取県岩美町
奇岩の写真

千貫松島の近景

千貫松島の遠景
いわれ,特徴,エピソード等

 周囲50m,高さ10mの洞門の頂きには,見事な松が生えています。浦富海岸を代表する奇岩の一つです。

 「千貫松島」という名称は,鳥取藩二代目藩主・池田綱清がこの松を見て美しさのあまり,「我が庭にこの岩つきの松を移すことのできた者には銀千貫を与える」と語ったことから,「千貫松」と呼ばれ,名付けられました。

地形・地質の概要

 花崗岩の離れ岩で,北西から南東方向に発達した規則正しい割れ目を持ち,中央はトンネルのように穴が貫通しています。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 「山陰海岸」は,いわゆる「リアス海岸」のため,尾根などの山地がそのまま海中に没しています。
 冬の荒波が,尾根などに直接あたることによる侵食力によって,「海食崖」,「海食洞」や「岩礁」が随所に生まれました。
 「浦富海岸」の花崗岩は亀裂が多いため,大小の様々な形をした岩礁や海食洞が随所に存在します。
周辺のジオサイトや観光地

山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク
 この奇岩は,山陰海岸ジオパークの「浦富海岸周辺エリア」を構成するジオサイトの一つです。
 同じエリアのジオサイトには「菜種五島・城原海岸」,「滝ヶ磯」,「鴨ヶ磯・酒宴洞門」,「龍神洞」や「亀山洞門(潮吹き洞門)」などがあります

日本の地質百選および日本の地質案内
 この奇岩は,日本の地質百選(山陰海岸)に選定されています。
  日本の地質案内・日本の地形千景 : 浦富海岸の海食洞(千貫松島の拡大写真があります)

☆観光地
 浦富海岸島めぐり遊覧船,鴨ヶ磯,浦富海岸自然探勝路などがあります。

☆観光コースの例
  山陰海岸ジオパーク散策モデルコース「浦富海岸西コース

交通概況

☆鉄道
 JR山陰本線「岩美駅」下車。 タクシーに乗車し約20分で遊覧船乗り場に到着します。
 遊覧船に乗船するか,あるいは遊歩道路を千貫松島展望所まで歩いてください。

☆自動車
 鳥取自動車道の「鳥取IC」経由,鳥取南バイパスなどを経由して国道9号を鳥取砂丘方面へ。 岩美町で国道178号へ入り,市街地を通って遊覧船乗り場まで走行してください。

記事,引用情報,お断り

【記事】
 ・千貫松島の花崗岩は,新生代古第三紀暁新世~始新世(約6,000万年前頃)に,日本列島がまだ大陸と繋がっていた頃に形成されたものです。
 ・千貫松島に開いている穴は「海食洞」と言って,日本海の荒波によって,花崗岩の亀裂が広がって真ん中の部分が抜け出てしまったものです  。

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。