国指定の名勝及び天然記念物「須佐湾」に位置する自然造形美(高さ12m)で,灰白色と黒色の縞模様が美しいものです。
灰白色部分は「須佐層群」の砂岩層,黒色部分は同層群の泥岩層が「熱変成作用」を受けた「変成岩」です。 黒雲母と呼ばれる鉱物に変わっているのが本来のホルンフェルスです。 遊歩道を通って海岸付近まで降りると,岩肌を見ることができます。
「須佐ホルンフェルス」とは,砂岩や頁岩層からなる須佐層群が堆積したあと,約1,500万年前にその層を高温の火成岩体(マグマ)が貫入し,熱作用により変成岩(接触変成岩)に変化したものです。
角張った破面で割れることから,「角石」という意味のドイツ語で「ホルンフェルス」と言われています。
☆日本の地質百選 この奇岩は,日本の地質百選(須佐ホルンフェルス)に選定されています。
☆観光地 須佐高山の磁石石,須佐湾遊覧船,奇岩「畳が淵」,萩市内(萩城下町)などがあります。 注 須佐は,スサノオが航海の途中に位置が分からなくなり,船中にあった磁石が,須佐高山の磁石石の方角を指したため,須佐湾に無事入港することができた,という神話にちなむ地名だそうです。
【記事】 地層の断面がきれいな平面なのは,地層全体に節理と呼ばれる割れ目が発達していて,その割れ目に沿って岩が崩れ落ちるからです。 国土地理院の地形図や多くの観光案内などに「断層」という用語が使われていますが,これは正しくありません。
【引用情報】 国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM) 国土地理院利用規約
【お断り】 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。 地形図については,地図検索のページをご覧ください。