静岡県:陣馬の滝(富士山の湧水)
地形・地質の特徴

瀑布,潜流瀑(伏流瀑),直瀑,富士火山,玄武岩溶岩流,岩屑なだれ堆積物,伏流水

地形と地質の三次元イメージ : 陣場の滝~朝霧高原
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/5万 富士火山地質図 V2(出典,下記)」を表示します。

「陣場の滝」は,河川に懸かる滝と,地下水(湧水)の滝が,ほぼ同じ場所に存在しています。
陣場の滝付近では,「田貫湖岩屑なだれ堆積物」と「芝川溶岩流」の露頭が存在します。 これらは「猪之頭溶岩流」の下位にあります。
湧水の滝(潜流瀑)の水源は,複数枚の「溶岩層」の空隙を流れ下った地下水だろうと思います。
その証拠に,地下水の上流側には,同じ地下水を利用していると思われる「富士養鱒場」が営業しています。
【露頭写真】 陣馬の滝

「陣馬の滝」の全景です。 余程の良水なのでしょう,大量に持ち帰る人が来ていました。  撮影:2015年9月(全て)

右端の「陣馬の滝」は,「五斗目木川」の本流に懸かる滝なのです。
その左側の小さな滝群のうち大半は川の分流ですが,一部は溶岩流の境界から湧き出ている「潜流瀑」であると思われます。

(左)富士宮市の設置した案内板です。
(右)陣場の滝に向かって右(左岸)側に存在する「潜流瀑」ですが,よく見ると,褐色の地層(遮水層)の上下から水が湧き出ています。
記事・引用情報・参考情報

【記事】

  • 陣馬の滝は,富士山の西側の富士宮市猪之頭にある落差5m程の小さな滝ですが,潜流瀑(伏流瀑)という,比較的珍しい種類に分類されています。
  • この五斗目木川は「芝川」に合流しますが,そこに存在する「白糸の滝」や浅間山東麓の同名の滝が,同じ種類の滝と言えます。
  • ただし,陣場の滝で最も水量があって落差もある「本滝」は,朝霧高原あたりを水源とする「五斗目木川」の河川水です。
  • 写真に写っている茶色の地層が「田貫湖岩屑なだれ堆積物」からなる遮水層(粘土分の多い地層)と思われます。

【引用情報】

【参考情報】

【お断わり】

  • 本ページは,「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質案内」の当該ページを,最新の知見に基づきバージョンアップしました。