青森県:日本キャニオン
地質の特徴

地すべり地形,崩壊地形,侵食

投稿者による写真(露頭ステレオ写真)の説明:日本キャニオン

注 ステレオ写真です。 左右の像が重なるように,瞳を制御してみてください。

【投稿者:島 馨氏】

  • 日本キャニオンは,世界遺産の白神山地の西端に位置する。
  • 中新世に噴出した基質の固結度がそれほど高くない流紋岩質の凝灰角礫岩~火山礫凝灰岩からなり, 数センチ大の真珠岩の礫が多く含まれている。
    徳島県の土柱と同様に浸食に対する適度な抵抗性により,地形輪廻の幼年期の浸食段階のような景観が永続的に表出している。
    その意味では,アメリカ合衆国コロラド高原のグランドキャニオンとは本来異なるものだが,形態的には似かよっている。
  • 「日本キャニオン」の命名は,昭和28年に当地を訪れた探検家岸衛氏(当時,国立公園審議委員)によるものだそうである。
  • 厚い礫岩の分布地域では,しばしばこのような釣鐘状の斜面浸食が認められる。
    浸食地形もさることながら,ここ「十二湖」周辺の地形は,巨大地すべりによるものと思われる特異な地形である。
    むしろ,グランドキャニオンよりも興味深い景観として,誇れるものなのかもしれない。

投稿者の島氏が撮影したであろう場所と撮影方向を双方推定し,その位置と視線の方向を図示しました。
地形の三次元イメージ:白神山地,十二湖崩れ[事務局作成]
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。防災科学技術研究所の「地すべり地形分布図(出典,下記)」を表示します。

「日本キャニオン」は,「十二湖崩れ」と呼ばれている巨大崩壊跡地の一角に存在します。
 宝永元年4月24日(1704年5月27日)の「岩館地震」によって斜面が崩壊し,その堆積物(土砂)の窪みに水が溜まって多くの池や沼ができました。
全部で30以上の池などがありますが,特に大きいものが12あります。
事務局による参考情報など

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質案内」を基にして,事務局が「三次元地形図」,「三次元地質図」や若干の記事などを追加したものです。