栃木県:那須火山
       (日本の地形千景プラス:那須火山の火山地形と大規模岩屑なだれ)
地形と地質の三次元イメージ : 那須火山の東斜面
三次元地形図上でマウスクリックすると,産総研・地質調査総合センターの「1/3万 那須火山地質図」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

『3万分の1 那須火山地質図』の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 「那須火山(那須岳とも:火山群の総称)」は,栃木県北西部に位置する「関屋断層」の東側に沿って,ほぼ南北方向に分布する成層火山群です。
  • 第四期中期更新世に「三本槍岳」の火山活動が始まり,その後「朝日岳火山(あさひだけ)」や「南月山火山(みなみがっさん)」が続き,最も新しいのは現在も噴気活動がみられる「茶臼岳火山(ちゃうすだけ)」です。
  • 那須火山の東斜面に対する那珂川支流の侵食が激しく,幾条もの深い「開析谷」が刻まれています。 溶岩ではなく火砕岩が堆積しているところが狙割れているのでしょう。
地形と地質の三次元イメージと現場写真 : 那須火山の西斜面
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  • 「茶臼岳の西側斜面には,かつて多くの噴気孔が存在し,盛んに噴煙(蒸気)を噴出していしたが,最近は勢力が弱まっているようです。
  • 「沼ッ原」は,「南月山火山」の初期に噴出した溶岩流の末端に形成された凹地に水が溜ったものでしたが,陸地化が進んでいるようです。
  • 白笹山から南月山を経由して茶臼岳の少し手前まで,深い開析谷が殆どありません。
    「南月山の前期火山噴出物:Mg」が堆積している場所に重なりますが,侵食に強い岩石から構成されているのでしょうか。
  • これに対し,最も新しい火山である「茶臼山」とそれ以前の火山である「朝日岳」の境界には,深い開析谷が入り込んでいます。
    三本槍火山噴出物との境界部分なので,比較的柔らかな物質でも堆積していたのでは,と勝手に想像しています。
  • (A)硫黄鉱山跡近くの登山道からの「朝日岳」の南面です。 紅葉した木々が山頂近くまで生えていて,土壌化が進んでいるようです。
  • (B)硫黄鉱山跡(鞍部)からの「茶臼岳」です。 崩壊地の中に噴気が2ヶ所見えます。 写真Cの②噴気孔と思われます。
  • (C)1987年当時,崩壊跡地にある「無間地獄:①」と言う噴気孔から,盛んに噴気が出ていました。
       最近の地形図では②と③の噴気孔マークが消されているので,弱くなったか消滅したかもしれません。
  • (D)沼ッ原湿原の背後に見える山稜は,左端が「三倉山(1888m)」で右端が「流石山(1822m)」です。
       流石山の右側の崩壊地形は,1975年ごろの空中写真でも確認できます。
地形と地質の三次元イメージ : 那須火山の東斜面に広がる「岩屑なだれ堆積物」
三次元地形図上でマウスクリックすると,産総研・地質調査総合センターの「1/3万 那須火山地質図」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

『3万分の1 那須火山地質図』の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 『3万分の1 那須火山地質図・解説書』によると,那須火山では過去4回の「岩屑なだれ」が発生しているとのことです。
  • これらの中で最も規模が大きかったのは,南月山がに崩壊して発生した「那珂川岩屑なだれ:Nk」です。
    発生した時期は,第四期 中期~後期更新世(チバニアン期:14~17万年前)と言われています。
  • その次は,朝日岳火山の南東斜面付近が崩壊して発生した「御富士山岩屑なだれ:Of」です。 時期は,第四期 後期更新世(3~4万年前)と言われています。
    なお,御富士山とは,りんどう湖の西側にある一つの丘陵なのですが,恐らく岩屑なだれによって形成された「流れ山」の大きなものと考えられます。
三次元地形図上でマウスクリックすると,産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。
『20万分の1 シームレス地質図』の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 「3万分の1 那須火山地質図」では,広範囲に分布する岩屑なだれ堆積物の全容を捉えられないので,20万分の1 シームレス地質図を併記しました。
  • シームレス地質図で「Q2_v_ad」とあるのが「那珂川岩屑なだれ堆積物:Nk」に該当します。
    その先端は那珂川と余笹川との合流点にまで達しており,「山体崩壊」の規模の大きさが想像できます。
  • 同様に「Q3_v_ad」とあるのが「御富士山岩屑なだれ堆積物:Of」に該当します。 先端は「東北本線」のやや南側と,Nkほどの広範囲ではありません。
  • なお,「Nk:Q2_v_ad」の那須火山に近い場所は「Of:Q3_v_ad」によって覆われており,「Of:Q3_v_ad」の那須火山に近い場所はそれ以後に活動して堆積した火山噴出物に覆われているので,いずれも地表には露出していません。
茶臼岳(日本百名山では那須岳)

深田久弥の登山ルートは不明なので,現在利用されている一般ルートを表示しています。
  • 深田久弥が百名山に認定した「那須岳」ですが,実は那須(火)山群の総称なので,実際に登頂した山がどれなのか,はわかっていないようです。
    従って,登頂ルートも不明,のようです。
  • 本ページでは,「那須岳=茶臼岳」と見なして,徒歩で登頂するルートをトレースしてみました。
  • 標高差と実際の上りはほぼ同じで約460m,歩行距離は約2.8kmとなり,健脚者ならば山頂まで1.5時間ほどでしょうか。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選」を基にして,事務局が「三次元地形図」,「三次元地質図」や若干の記事などを追加して,「日本の地形千景プラス」と合併したものです。