新潟県:鯖石川の環流丘陵群と瀬替え(人工蛇行切断)
地形の特徴

穿入蛇行,曲流,環流丘陵,蛇行切断,瀬替え,人工蛇行切断,川廻し

地形(標高段彩図)と地質の三次元イメージ : 鯖石川下流部
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「鯖石川」の下流部には,流域で最も広大な「(穿入)蛇行」の痕跡が3箇所残されており,いずれにも「環流丘陵(地点A,同B及び同C)」が現存します。
なお,「地点C」は,地形的に「人工切断(瀬替え)」の場合もあり得るとも考えていますが,この事に言及している情報にたどり着けてません。

「地点A」を構成する丘陵が2箇所ありますが,同じ段丘面に立地しているので,同じ環流(蛇行)の流れであったろうと想像します。
「地点B」では,環流(蛇行)部分の面積に対して環流丘陵の規模が小さい,という特徴があります。 環流によって削られてしまったのでしょうか。
「地点C」について,環流部の最低標高(約36m)と河床標高(約33m)との差が僅かなので蛇行が切断されたのは,地質年代的に最近のことと思われます。
地形(標高段彩図)と地質の三次元イメージ : 鯖石川中流部
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「鯖石川」の中流部は,「鯖石川地向斜」と呼ばれる沈降軸のほぼ中央を,蛇行しつつ北に向かって流れています。
第四紀更新世の中期に,汽水域~淡水域で堆積した,かなり軟らかい堆積岩地帯なので,蛇行はほぼ連続的となっています。
本図の範囲内には,蛇行の根元が切断してできた「環流丘陵」が6箇所,推定できます。

本図(左右)の中に,7箇所の「環流丘陵」が推定されます。
大部分が自然発生の「蛇行切断」の結果と思われますが,「地点D」では切断部の河道が直線なので「人工切断:瀬替え」によるものと考えます。
疑問なのは「地点F」です。 二つある丘陵の真ん中を「鯖石川」が流れているために,環流(蛇行)時の流れを想像できないからです。
注 「地点J」の概要図は,上流部にあります。
地形(標高段彩図)と地質の三次元イメージ : 鯖石川上流部,支流石黒川,枝谷落合川
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本図において,「鯖石川ダム」の下流側に4箇所の「環流地形」が存在します。
一方,ダム上流の左岸側支流の「石黒川」には,「河川隧道」方式による「瀬替え:人工蛇行切断」が2箇所存在しています。
また,石黒川の枝谷(名称不詳)には,規模の小さな環流丘陵が存在しています。
注 本図には「地点R」,「地点S」及び「地点T」の位置は枠外のため,掲載していません。

本図に記載した3箇所の「環流丘陵」のうち,最上流の「地点M」は,馬蹄形を示す最も典型的な環流丘陵と言えるでしょう。
地形図には,細長いプール状の構造物が描かれていますが,恐らく「河跡湖」を利用しているものと考えられます。
なお,鯖石川の左岸支流「とろ川」にも,小規模の環流丘陵「地点L」が存在しています。

鯖石川左岸支流の「石黒川」には,何れも江戸時代に構築されたと言われている,2箇所の「河川隧道:瀬替え」が存在しています。
「地点N」の河川隧道は,鯖石川ダムの湖水に半分ほど沈んでいるものと思われます。

情報によると,石黒川枝谷の「落合川」には3箇所の「瀬替え」箇所が存在している,とのことです。
地形図上では,「地点R」,「地点S」及び「地点T」の3箇で,「蛇行切断」と思われる地形を認めることができます。
地点Sが「河川隧道」で,他の2箇所は自然の蛇行切断と同様の「掘割」となっています。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 「鯖石川」は,新第三紀末の鮮新世~第四紀更新世中期にかけての堆積岩である,「魚沼層群」の真っただ中を貫流しています。
  • 魚沼層群は,海底または汽水~淡水の湖底での堆積岩ですが,年代が若いためいわゆる「軟岩」と呼ばれる状態にあります。

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