岐阜県:揖斐川水系根尾川の断層性河川争奪と環流丘陵
地形の特徴

風隙,河川争奪,河成段丘(河岸段丘),断層地形,環流丘陵,穿入蛇行,蛇行切断

地形と地質の三次元イメージ(産総研・1/20万 シームレス地質図)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。

「濃尾地震」の「地震断層」として知られている「根尾谷断層」は,「水平左ずれ断層」です。
この断層は,濃尾地震時の1回だけの活動ではなく,何万年も前から繰り返し活動していることがわかっています。
その結果,約100万年の間に約2kmもの水平移動が起き,元々同じ川だった「金原谷」と「鍋原谷」は,大きく離れてしまったのです。
なお,本図中央の一番上には,恐らく「環流丘陵」ではないか,と疑わせる地形が存在しています。
標高段彩図の三次元イメージ : 根尾川と鍋原谷との河川争奪
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。事務局が推定した「河川争奪前の流路」を表示します。

「NOBUSAN BLOG(下記)」などによると,約100万年前には,「金原谷」と「鍋原谷(なべらたに)」とは繋がっていました(同じ谷でした)。
その後の断層活動によって,上流の金原谷側は図の右方向に徐々にずれたため,河道は「金原谷 ➡ 現風隙(古河道) ➡ 鍋原谷」となりました。
現風隙(古河道)の区間は次第に延びて行き,根尾川の近くに達したところで「河川争奪」が起き,河道は「金原谷 ➡ 根尾川」となりました。
注 河川争奪が起きる前までは,長さ約2kmの現風隙の区間には金原谷の河川水が流れており,争奪後に風隙となったのです。
標高段彩図の三次元イメージ : 根尾川の環流丘陵
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この「環流丘陵」らしき地形は,「根尾谷断層」による「断層鞍部」から離れており,この断層の直接的な影響はなかったかもしれません。
環流部最高点の標高は約200mで,現河床のそれは約141mです。
標高差が60mほどあるので,切断と離水の時期はかなり古いことが想像されます。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 「産総研・活断層データベース」では,根尾谷断層の平均変位速度は「2m/千年」,平均活動間隔は「2.6千年」と記述されています。
  • 鍋原谷と金原谷の距離は約2kmです。 上記2m/1,000年を当てはめると,2km移動する時間は100万年となり,更新世カラブリアン期から活動していることになります。
  • 周辺の地質は「ジュラ紀付加体」の「混在岩(形成はジュラ紀)」や「ジュラ紀付加体」の「チャート(形成は石炭紀~ジュラ紀)」なので,地層の形成に比べると,断層の活動は極めて新しい出来事になります。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】