徳島県:那賀川の巨大な双頭型とΩ型の穿入蛇行
地形の特徴

穿入蛇行,蛇行切断,環流丘陵,河成段丘(河岸段丘)

地形(標高段彩図)と地質の三次元イメージ
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「那賀川」は,「仏像構造線」と呼ばれる大きな構造線(大断層)に沿うように流れており,その流域は仏像構造線の両側に跨って広がっています。
その両側とも,海洋性プレートの沈み込みに起因する「付加体」ですが,プレートの動きによって大小の断層や褶曲が発生しました。
このような複雑な地層を流れる那賀川には,数多くの「穿入蛇行」が発生しました。
本図で紹介する穿入蛇行は,大きな「双頭型」と,正に「Ω型」のもので,両者とも環流部(蛇行部)の面積が大きいのが特徴です。
Ω型穿入蛇行の標高段彩図

「穿入蛇行」の外側の斜面は「攻撃斜面(図ではU)」と称し,内側の斜面は「滑走斜面(図ではS)」と称します。理由は次を参照してください。
穿入蛇行の基部(首の部分)は,通常尾根の幅が狭く,かつ鞍部となっていることが多いのですが,この穿入蛇行も同様の傾向にあります。
なお,蛇行基部の水頭差は,約20mもあります。 その上流側の穿入蛇行でも同様です。
Ω型穿入蛇行の地形断面図
  • 「穿入蛇行」では,一般的には「Ω型」や「凸型」の形状を呈しています。
    洪水時に水位が上昇し流速が増大すると,穿入蛇行の外側斜面(攻撃斜面)には,大きな水圧がかかります。
    「側方侵食」によって斜面の下部が削り取られるため,攻撃斜面は急傾斜となると共に,河道は外側に膨らみます。
  • 一方,内側の斜面(滑走斜面)では,側方侵食力は極めて弱いため, 滑走斜面は洪水の影響をあまり受けないと考えられます。
  • 蛇行頂部に設定した地形断面図から,攻撃斜面の傾斜は「急」で,滑走斜面の傾斜は「緩」であると,わかります。
    この傾向は,穿入蛇行の一般的な特徴として理解されています。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 仏像構造線の北側は,関東地方から九州地方に分布する,「秩父帯(秩父累層)」と呼ばれている巨大な構造体です。
    古生代~中生代前期白亜紀に,太平洋の海底で堆積した「砂岩,粘板岩,チャート」などで構成されています。
    海洋性プレートの動きに引きずられて日本列島までやってきました(付加帯)。
  • 構造線の南側は,関東地方から九州地方を経て沖縄本島まで分布する,「四万十帯(四万十累層)」と呼ばれている超巨大な構造体です。
    中生代後期白亜紀に太平洋の海底で堆積した「砂岩,泥岩,チャート」に「玄武岩」などが複雑に絡み合った地層です。 こちらも付加帯です。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】