福島県:安達太良火山の火山地形
地形の特徴

火山地形,活火山,火山災害,水蒸気爆発,火砕サージ,日本百名山

地形と地質の三次元イメージ : 安達太良火山の南東斜面
三次元地形図上でマウスクリックすると「安達太良火山地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

安達太良火山地質図 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 高村千恵子が「ほんとのそら」と呼んでいた「安達太良山」は,実は活火山なのです。
  • 北から「鬼面山(E)」,「箕輪山(D)」,「鉄山(B)」,「矢筈森」,「安達太良山(A)」や「和尚山(F)」などから構成される火山群です。
  • 「藤縄・工藤・星住(2006)」によると,安達太良火山のおおよその活動史は以下のようにまとめられます。
  • 第1期:約55万年前,鬼面山の「溶岩円頂丘:KI」が火山群としての活動の開始で,次いで約44万年前,前ヶ岳の南東部付近での火山活動が続きました。
  • 第2期:約35万年前,前ヶ岳~和尚山の山体が,数万年に及ぶ活動の後に形成されました。 その後,約10万年間静穏の時が流れました。
  • 第3期(前半):安達太良火山群の主要部が形成された時期です。約20万年前頃,「僧悟台溶岩流(SO)」の噴出を皮切りに,「薬師平溶岩流(YA)」,「勢至平溶岩流(SD)」や「安達太良山溶岩流(AL):約20万年前」が次々に噴出しました。 同時期に「箕輪山(MW1~MW4)」が形成されました。
    その後,一旦休止となりました。
  • 第3期(後半):約12万年前~約3万年前にかけて,「鉄山」付近や「船明神山」などの山頂部分が形成されました。
    約1万年前の完新世に入ると,「マグマ水蒸気爆発」や「水蒸気爆発」を繰り返すようになりました。
    最新のマグマ噴出噴火は,約2,400年前と言われています。
  • このように,大量の溶岩を噴出した活動は,第四期更新世・チバニアン期で終息したため,山体には激しい侵食の爪痕が刻まれています。
地形と地質の三次元イメージ : 安達太良火山群の北東斜面
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  • 前述のように,安達太良火山群の主たる活動は,第四期・更新世・チバニアン期で終息しました。
  • 第3期で最も古い「僧悟台溶岩流(SO)」や次いで古い「勢至平溶岩流(SD)」などは,「湯川」の侵食によってかなりの深さまで侵食されました。
  • 勢至平溶岩流の末端部は,緩く湾曲した断崖絶壁を形成しています。 防災科学技術研究所から公開されている「地すべり地形分布図」によると,この断崖は「地すべり滑落崖」で,その直下は「地すべり移動体」で埋め尽くされている,と評価されています。
地形と地質の三次元イメージ : 沼の平火口
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  • 有史時代の活動は,いずれも「沼ノ平火口」によるものと考えられており,その殆どが「水蒸気爆発」と「火山泥流」の発生です。
  • 沼ノ平と旧沼尻温泉にかけての硫黄川沿いでは良質の硫黄が採れるため,1800年代の後半,硫黄鉱山が稼働していました。
  • 恵子が存命だった1900年に,「沼ノ平火口」で発生した水蒸気爆発は,300m×150m×40mの新火口を形成すると共に,発生した「火砕サージ」は,硫黄川に沿って山を下りました。
  • この噴火では,爆発自体と硫黄鉱山へ達した火砕サージのために硫黄鉱山の関係者が74名死亡するという,安達太良火山史上最大の災害となりました。
  • 「安達太良火山地質図」によると,沼ノ平火口内は「侵食堆積物:崖錐堆積物や扇状地堆積物」で覆われているようです。
【現場写真】

船明神山の左にあるガレ場が,「沼ノ平火口」の最上部です。
安達太良山

この登山ルートは,深田久弥の登山ルートを一部再現しました。
  • 深田久弥は,「岳温泉」→「勢至平」→「くろがね小屋」→「矢筈ノ森」→「安達太良山」へと踏破したようです。
  • 現在,岳温泉→奥岳の湯(950m)間は自動車道が整備されているので,登山ルートは奥岳の湯を出発点としてあります。
  • 安達太良山頂までの標高差は750m,歩行高さは約770m,歩行距離は約7.0km,登頂時間は2.5~3.0時間でしょうか。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】