島根県:隠岐諸島,島前(中ノ島と知夫里島)の海食崖
地形の特徴

海食崖,海食洞,火山地形,カルデラ,地すべり地形,リアス海岸

地形と地質の三次元イメージ(産総研・1/20万 シームレス地質図)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「隠岐諸島・島前」は,「西ノ島」,「中ノ島」と「知夫里島(ちぶりじま)」など,多くの島々から構成されています。
これらは全て,「島前火山」の外輪山と中央火口の一部です。 「カルデラ」は海の中に沈んでいるので,見ることはできません。
島前火山の火山活動が終了した後(と想像します)に「沈水」したので,随所に「リアス海岸」が存在します。 中でも,「中ノ島」が一番の典型例です。
沈水の結果,波浪による大きな浸食作用が外輪山の外側に生じました。 その典型例が「隠岐国賀海岸」と「隠岐知夫赤壁」です。
地形の三次元イメージ : 中ノ島・隠岐国賀海岸(おきくにがかいがん,別名摩天崖)

西ノ島,隠岐国賀海岸は,長さ約3kmの長大な「海食崖」です。
「摩天崖」と呼ばれているほぼ垂直の断崖絶壁で,最も高い所は海面からの高さが約250mを越えています。
噴火によって流れ出た玄武岩溶岩が,何層も積み重なっていることが観察できるという,重要なジオサイトです。

「隠岐国賀海岸」と称される「」断崖絶壁は,中ノ島に2箇所あります。
そのうち,特に「摩天崖」と名付けられた「海食崖」の高さは最大で257mもあって,玄武岩の尾根がスッパリと断ち切られているのです。
火山によってできた大地も,海による侵食によって削り取られてゆく,という良い見本です。

「三渡集落(漁港)」から尾根を越したところにも,もう一つの「隠岐国賀海岸」が存在します。
こちらの方は,陸上から近づける道が無いので,海上からの観察となります。
「矢走二十六穴」は,隠岐国賀海岸の「海食崖」に開いた,数多くの「海食洞」をまとめた名称です。
地形の三次元イメージ : 知夫里島・隠岐知夫赤壁 (おきちふせきへき)

知夫里島(ちぶりしま)の「隠岐知夫赤壁」は,断崖(海食崖)が酸化鉄による赤い色をしているところから「赤壁」と命名されました。
種々の証拠から,赤壁の場所に噴火口があった,と考えられています。 外輪山に複数存在する噴火口の一つが見つかったのですね。
1/20万シームレス地質図では,この付近一帯は「アルカリ玄武岩」と表記されていますが,
下記資料では,赤壁自体は「スコリア」が軽度に固化した岩石で,赤壁には火道に貫入した「マグマの跡」も存在する,と記載されています。

「隠岐知夫赤壁」は,海岸から標高約100mまでが断崖絶壁です。そこで小さな段と傾斜地があって,その上が再び断崖絶壁となっています。
この場所は,元火道(火口)跡です。 日本海の波浪による侵食(海食)により,火口の約半分が日本海に沈んでしまったことになります。
図の右端の絶壁は,「深層崩壊」あるいは「岩盤地すべり」にる「滑落崖」で,その下には,崩落した岩石や土砂が堆積しています。
この場所が海に面しているところから,崩落した移動体の大部分は海に流れ出たのでは,と想像しています。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 外輪山のほぼ全ては,新生代新第三紀中新世の後期(約600万年前頃)の「アルカリ玄武岩,組面玄武岩」などの溶岩でできています。
  • 「焼火山(たくひやま)」は,カルデラが形成されてから噴火した「中央火口丘」で,主として火砕岩で構成されています。
    なお,焼火山を構成する山体の一部に,非火山性の「砂岩・泥岩」が存在しています。
    年代は,新生代新第三紀中新世の初期(約1500万年前頃)なので,島前火山よりもよほど古い地層のようです。

【引用情報】

【参考情報】

  • 隠岐ユネスコジオパーク > 半島から孤島へ (国賀海岸,赤壁をクリック)
  • 地形・地質情報ポータルサイト > 地形のおはなし > リアス海岸[事務局が作成した解説書です。]

【お断り】