長崎県:対馬,下島の内山盆地(花崗岩とホルンフェルス)
  [日本の地質案内:対馬厳原 鮎戻しの花崗岩]
地形と地質の特徴

花崗岩,変成岩,ホルンフェルス,谷底,盆地

【地上写真と投稿者による写真の説明:鮎戻しの花崗岩】

(左)鮎戻し自然公園内の瀬川。      (右)薄板状の節理(sheeting joint)。

【投稿者:大島 洋志氏】

  • 対馬の南部,厳原の県道192号線舞石ノ壇(536m)近くの峠は,展望が良いところである(右写真)。
    そこから西の方を望むと,佐須瀬の海岸部へ向かう水系が望める。
    その中央部内山地区一帯の河床部には,花崗岩が分布している。
    先の峠に分布する対州層群は熱変成を受けてホルンヘルス化している。
  • 内山地区にある鮎戻し自然公園内では,花崗岩のきれいな露頭を観察することができる。
    当地の花崗岩は,河床に平行した薄板状の節理(sheeting joint)であるのが特徴である。

県道192号線舞石ノ壇(536m)近くの峠
地形と地質の三次元イメージ : 下島の核心部
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 地質図幅『厳原』(出典,下記)」を表示します。

下島南部の地質も基本的に「対州層群」ですが,「瀬川」の流域など各所に「花崗岩」が貫入しました。
また,その周辺は花崗岩の熱により,硬い「ホルンフェルス」という「変成岩」へと変化しました。
「泥岩・砂岩」からなる「対州層群」の場所と,「花崗岩」や「ホルンフェルス」の場所では,地形が大きく異なっています。
対州層群: 小振幅で密度の高い山襞構造を呈し,主稜と呼べるような尾根が少なくなっています。
花崗岩・ホルンフェルス:直線状で幅が広いの尾根と谷を持ち,数本の主稜と呼べる大きな尾根が存在します。
地形の三次元イメージ : 内山盆地

「内山盆地」の内側,瀬川沿いの低地帯に「花崗岩」が分布しています(河床堆積物は除きます)。
泥っぽい河床とは異なり,白くて硬い河床が特徴で,当然川水も澄んでいます。
花崗岩の周囲の「対州層群」は,花崗岩の熱によって,「ホルンフェルス」と呼ばれる,侵食に強い変成岩へと変化しました。
木樹山(515m),竜良山(558m)など,高山のまま残っている山々と,それらを連結する尾根が変成岩でできています。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 対馬の大部分は,古第三紀の漸新世後期(約3000万年前)から新第三期の中新世後期(約1000万年前)にかけて,海底で堆積した「対州層群」と呼ばれている堆積岩で構成されています。
  • 対州層群は,連続的に堆積した厚い地層で,その厚さは5400mにも達しており, 大別して下部層・中部層・上部層の3層に区分されます。
    ・下部層(層厚約2400m):下島の「佐須川」流域を中心として分布しています。 地質は,泥岩が主体で所々砂岩が混じっています。
    ・中部層(層厚約1600m):女連(うなつら)から浅茅湾(あそうわん)の湾奥部地域を含む広い範囲に分布しています。
     泥岩が主体で,砂岩・泥岩の互層や砂岩層を挟んでいます。 砂岩層には化石漣痕や,堆積直後に地層内に生じたスランプ構造が散見されます。
    ・上部層(層厚約1400m):上島の「長崎鼻半島」を中心として分布しています。 地質は,下位が泥岩,上位が砂岩で,中間は互層状態のようです。
  • 対馬全体では,対州層群を貫いて出現した「花崗岩」や「玄武岩」が散見されます(花崗岩:下島・瀬川流域,玄武岩:上島・千俵蒔山)。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質案内:対馬厳原 鮎戻しの花崗岩」と「日本の地形千景プラス:対馬,下島の内山盆地(花崗岩とホルンフェルス)」を統合し,事務局が「三次元地形図」,「三次元地質図」や記事などを追加したものです。