八木地区を中心とした 広島土石流災害に関する地質情報及び関連の情報
土砂災害全般の解説はこちら   表層崩壊の解説はこちら   深層崩壊の解説はこちら   土石流の解説はこちら       2015年3月28日改訂
凡  例
土石流が発生した範囲




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  国土数値情報: 土砂災害危険箇所
  国土地理院: 色別標高図
  国土地理院: 災害時空中写真
  国土地理院: 国土画像情報
  産総研: シームレス地質図
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国土交通省ボーリング
 KuniJiban からの引用
広島市避難所(候補施設)
 広島市 からの引用

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必ずご覧ください。
 
土石流の特徴
☆「渓流A」は、今回で最も規模が大きくかつ被害の大きかった土石流を発生させました。 阿武山の南西斜面の標高430m付近で発生し、その流下距離は水平距離でおよそ1.4km、流下した比高(標高差)は約420mにも及んでいます。 

☆八木四丁目の「渓流B」は、危険区域と公表された土石流扇状地の上部に留まりましたが、流下距離は約0.7km、比高は約270mでした。

☆崩壊発生地点における渓流の河床傾斜は「渓流B」の方が急ですが、土石流の規模は「渓流A」の方が遙かに大規模でした。 原因としては,「源頭部の表層崩壊の規模が大きかった」,「渓流に堆積していた土砂の量が多かった」などが考えられます。

★渓流の比高グラフの作成条件等については、
 こちらをご覧ください
関連情報の公開サイト
2014年8月 広島豪雨関連の自然災害に関するリンク集「GeoSurf-Navi」
雨量と土壌雨量指数の特徴
・連続雨量:256mm
    (8/19~8/20)
・最大時間雨量:101mm
    (8/20 03:00~04:00)
・最大土壌雨量:236
    (8/20 04:00)
・土石流発生時刻:
    (8/20 03:30前後)

※最大時間雨量を示した時刻と土石流が発生するまでの時間差は殆どありません。
※土壌雨量指数が200mmを越えてから、土石流が発生するまでの時間差も殆どありません。

※広島市安佐南区の警報発表レベルは「116」です。

 ご利用上のご注意はこちら。
 今回の土砂災害(土石流)では、「最大時間雨量を示した時刻と土石流が発生するまでの時間差」と「土壌雨量指数が200を越えてから土石流が発生するまでの時間差」のいずれもが、殆ど無かったことが判明しています。これは、「浅い土層が滑落する表層崩壊タイプの斜面災害においてしばしばみられる(引用:京都大学防災研究所 地盤災害研究部門)」現象とのことで、この表層崩壊が引き金になって土石流が発生したものと考えられます。
 注 この時間差の殆ど無い土砂災害の例としては、「2009年7月に山口県防府市で発生した土石流災害」が挙げられます。同災害では、特別養護老人ホームに流れ込んだ土石流で7名が犠牲になるなど、合計14名が亡くなっています。

半月以上前からの雨量の状況です。 連続雨量と違って,雨量ゼロによるリセットをしていないので「累積雨量」としました。
土石流扇状地と思われる地形について
☆「土石流について」で解説したように,表層崩壊や深層崩壊がトリガーとなって発生した土石流のうち,礫などの粒径の大きい成分は,渓谷の出口付近で沖積錐(扇状地の傾斜な急な部分=土石流扇状地)として堆積します。 この土石流扇状地は,しばしば同心円状の等高線を持つことで知られています。

☆上記の特徴を持つ地形を,安佐南区の八木地区で調べてみると,左図のように見つかりました。
 最も形状が鮮明なのは,緑井八丁目の渓流です。 この扇状地には,河川が複数本存在しており,恐らく地質時代の新生代に土石流が発生していたことを示唆しています(詳しくは,現地調査が必要ですが)。
 今回最も規模が大きく,被害も大きい土石流が発生した渓流の土石流扇状地は,それほど大きくはありません。 過去の活動は余り活発では無かった可能性が考えられます。

☆実際にどの程度の土石流堆積物が過去に堆積していたかを知るためには,ボーリング調査などが必要となります。

事務局で判読した土石流範囲 + 国土地理院10mDEM + 地理院タイル を Kashmir3D で処理。  地図をクリックすると拡大します。
お断り: 土石流の範囲は正確ではない場合があります。 また,地図は2種類を合成しており,合成時のひずみが残っています。 ご理解の上,ご利用ください。
(執筆・編集)地質情報整備活用機構