和歌山県:古座川弧状岩脈(熊野コールドロン)   
  (日本の地質百選:古座川弧状岩脈)
地形の特徴

岩脈,カルデラ,コールドロン

地形の三次元イメージ : 古座川弧状岩脈
‼マウスオーバー‼    地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万シームレス地質図」を表示します。

「弧状岩脈」というので,山脈を想像していました。
しかし,現実は「古座川」,「田原川(支流)」や「玉ノ浦」など,どちらかと言えば「鞍部」の連なりが「弧状」になっていることがわかります。
【現場写真】 古座川弧状岩脈 : 古座川の一枚岩

「古座川の一枚岩」は,「古座川弧状岩脈」の西端付近に存在します。
1/20万シームレス地質図によると,岩脈の主成分?は「デイサイト・流紋岩(溶岩・火砕岩)」と「花崗岩(島弧・大陸)」と表記されています。
地下深部で冷えた火成岩と,地表近くまで貫入してきた火成岩が同居している,という珍しい組み合わせのようにも思えます。

「古座川の一枚岩」は,「流紋岩の火山砕屑岩(火砕岩)」で,見た限り地層の境界は存在しません。
侵食が進んでいる場所もあり,崖の上部の崩落跡には虫喰い穴が開いていました。
【現場写真】 古座川弧状岩脈 : 高池の虫食い岩

「高池の虫喰岩」は,「古座川弧状岩脈」のほぼ中央に位置しています。
1/20万シームレス地質図では,泥岩層と流紋岩の境界付近にこの岩が表記されていますが,実際は「流紋岩火砕岩」です。

高池の虫喰岩は,「古座川弧状岩脈」の一部で,「流紋岩火砕岩」からなる岩体が風化し,「タフォニ」を形成したものです。
風化の原因は,表面から塩類を含む水が蒸発する過程で,石膏などの微結晶の成長によって,岩盤表面が剥がれ落ちてくるからです。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「古座川弧状岩脈」は,「熊野カルデラ」の南縁部を構成する「流紋岩の溶岩・火成岩」と「花崗岩」です。
  • 資料によると,カルデラの推定規模は長径が40km超,短径が20km超とのことです。
  • しかし,侵食によって,カルデラ自体の大部分と噴出物は消失しました。
  • 侵食によってカルデラ自体が消失した状態を「コールドロン」と言います。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選:古座川弧状岩脈」と「日本の地形千景プラス:古座川弧状岩脈(熊野コールドロン)」を統合したものです
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