南紀・熊野ジオパーク 巡 検 記

2017年5月13日,休暇で訪れた「南紀熊野ジオパーク」の写真と印象です。

☆一枚岩: 道の駅に立つと,長さ約200mの岩壁が眼前に聳えており,見る者を圧倒します。 確かに,地層の境界を示す痕跡は見当らないようです。
  侵食が進んでいる場所もあり,崖の上部の崩落跡には虫喰い穴が開いていました。
  上の地図に「地質図」を表示させると,一枚岩と虫喰い岩を結ぶ「弧状岩体」が表示されます。 2段階ズームアップして下さい。
  地質の識別番号付近でマウスを左クリックすると,説明文が表示されます。 弧状になっているのは,No.87とNo.79です。

☆高池の虫喰岩: どうしてこんな?,という印象がピッタリの,小さな穴が無数に空いています。
  小穴は,岩に空いた大きな洞窟?の中か,表面が崩落した場所に空いています。 岩体の表面は硬いせいなのでしょうか?

☆橋杭岩: それぞれの橋杭に名前が付いていますが,これを知ったのは,潮岬に建てられている「南紀熊野ジオパークセンター」を偶然尋ねたからです。
  道の駅の案内板に併設されていれば,と思いました。 地質図からは,岩体の構造をよく理解することができます。

☆お蛇浦,泥ダイアピル岩体: 説明版に「液状化し」とありますが,参考文献によると「地下深部から多量の水が供給されたため,・・」とあるので,
  南海地震による液状化現象では無かったようです。 残念ながら,地質図には反映されていません。 分布域が狭かったためと思われます。

★この他に「大門坂」や「那智の滝」などのジオサイトも訪問しましたが,ページの都合上割愛しました。

古座川の一枚岩[古座川町]

日本の地質百選「古座川弧状岩脈」を代表するジオサイト「古座川の一枚岩」。
撮影:古座川町相瀬,道の駅「一枚岩」にて。 写真をクリックすると拡大します。
お断り。 4枚の写真を合成したため,大きな歪曲収差が出ています。 端から端まで,ほぼ180度です。 

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 写真をクリックすると拡大します。

訪れた時は,雨上がりなので,ガリーには小さい滝ができていました。 等高線から推定すると,落差は100mを越えているようです。

よく観察すると,一枚岩にも「虫喰岩」ができています。
高池の虫喰岩[古座川町]

GUPI 日本の奇岩百景 No.46「高池の虫喰岩」。   撮影:古座川町池野山,池野山物産販売所「虫喰岩」にて。

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小さな虫喰穴は,大きな洞窟の中や表面が崩落した所にできています。

洞窟の中に社?が設置されていました。 鳥取県の投入堂や山形県の山寺のような「お堂」なのでしょうか?,鎌倉のやぐらのような「お墓」でしょうか?。
橋杭岩[串本町]


GUPI 日本の奇岩百景 No.47「橋杭岩」
。 手前は,津波によって運ばれた岩です。     撮影:串本町鬮野川,道の駅「橋杭岩」にて。

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橋杭には名前があります。 左は蛭子島で,右は平岩です。
泥ダイアピル岩体[那智勝浦町]

眼前の海食台全てが泥ダイアピル岩体です。     撮影:那智勝浦町,お蛇浦の説明版(下左)近傍。

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泥ダイアピル岩体」,平行亀裂の多い熊野層群の境界が明瞭です。