起震断層

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seismogenic fault

解説

  1. 1つの大地震に対応する単位の活断層(群)(松田、1980)。 起震断層を構成する個々のセグメントが単独に(断層群の一部)地震を発生する場合も、全体が連動して大地震を起こす場合もありうるが、両ケースを地震発生前に合理的に区別して推定する方法の確立は今のところ極めて困難である。 松田(1980)による起震断層のいわば暫定的な設定基準は① 5㎞以内に他の活断層のない孤立した長さ10㎞以上の活断層② 走向方向に5㎞以内の分布間隙をもって、ほぼ一線にならぶほぼ同じ走向の複数の断層③ 5㎞以内の相互間隔をもって並走する幅5㎞以内の断層群④ その断層線の中点の位置が主断層から5㎞以上離れている走向を異にする付随断層あるいは分岐断層。 これらの基準の妥当性は、セグメント区分の合理性・妥当性とともにさらなる検討を要することはいうまでもない。
  2. 「起震断層」の考えは作業仮説であって,震源が地表にあった観測例がない事実を見れば根拠は極めて希薄であるとする指摘もある。「起震断層説を唱える人々は,長年このような事実に目をつぶり,批判的見解はもとより,セカンドオピニオン・サードオピニオンなど異論・反論を封じ込め,排除し続け,対面を避け,実証をしないまま,仲良しグループを中心にこの仮説を刷り込み続け,恐怖心をあおってきたことは残念ながら史実です。」とまで非難する例もある(服部,2014)。 あえて論評は避けるが,いずれにしても活断層研究はいまだ発展途上にあり,科学的な実証がより一層なされるべきであることは論を待たない(加藤,2014)。

引用文献

  1. 服部 仁(2014)『活断層の誤解』創栄出版,98p.
  2. 松田時彦(1990)「最大地震規模による日本列島の地震分帯図」地震研究所彙報,65,289‐319.