フラワー構造

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flower structure

解説

横ずれ断層(走向移動断層)では、地表部や浅層部(堆積被覆層)で主断層に対してしばしば分岐・雁行断層が発達する。 これらは、深部基盤中では主断層に収れんしていくことが想定され、その断面形状からフラワー・ストラクチャーと称される。 逆隔離が卓越する断層からなる「正のフラワー・ストラクチャー(positive flower structure)」と「負のフラワー・ストラクチャー(negative flower structure)」がある。 前者の例が、南カリフォルニアのVentura盆地で、後者の例がアラビア半島の死海盆地である(Woodcock and Fisher、1986)。各断層が上方に向かって低角化して花弁が開いていくようなものを椰子の木構造palm tree structure、反対に各断層が上方に向かって高角化して花弁がつぼんでいくようなものをチューリップ構造tulip structureと呼ぶ。 いずれにしてもこれらの断層深部構造の概念は、地質プロセス・地質構造発達史における(重力場における広域造構応力場の変遷を考慮した)大規模な堆積作用(堆積盆形成など)や造構運動を規制する大規模な断層に適用されるべきで、露頭規模や小規模な断層の深部形状に無批判に適用すべきではない。 地表の活断層形状と深部のそれ、さらに震源断層との関係についてはまだ未明なことが多く、例えば地震の発生頻度などの過大評価あるいは過小評価に陥る愚を避ける慎重さが求められる。

引用文献

Woodcock、N.H. and Fisher、M.(1986) Jour.Struct.Geol.8、pp.725-735.