2005年8月 福井市足羽山公園西墓地陥没(笏谷石採取場跡地)
現場写真 : 足羽山公園西墓地(地下の笏谷石採取場跡地の真上)

A~Cは全ての現場写真で,ほぼ同じ場所を示します。
  • 2005年8月16日,現在は福井市立足羽山公園西墓地となっている「笏谷石採取場跡地」で陥没が発生しました。
  • 報道によると,陥没の規模は「市道を含む東西30m弱,南北約35mで,深さは20m弱」ですが,写真を見る限りもう少し深そうです。
  • 下左の写真からは,奈落の底(採取場跡地)に向かって大量の土砂が落ち込んでいることがわかります。
  • この笏谷石の採取場は,恐らく「(残柱式)坑内採取場」と呼ばれる採石場と思われます。
  • 残柱とは,天井(天端)を支えるために,掘削されずに残される柱のことです。
  • 仮に,残柱が細くて上からの質量(重さ)に耐えられない場合,あるいは天井より上の質量が想定よりも大きい場合,残柱が折れて天井が崩落し,地表が陥没することがあります(この例がそれに当てはまるかどうかはわかりません)。
地形と地質の三次元イメージ :
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5万分の1 地質図幅『福井』 の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 当該地は,福井城址の南西方向約2kmにある,「足羽山」の西側斜面に建設された市営墓地です。
  • 墓地の地下には,錫谷石の採取場跡地 が大きな地下空洞となって残っていましたが,突然陥没しました。
  • 笏谷石(火山礫凝灰岩)は,新第三紀 前期中新世(約1,700万年前頃)の火山活動によって噴出した「デイサイト質の火山砕屑物」が溶結した岩石です。
  • 灰青緑色を呈し比較的柔らかいために,宇都宮市の大谷石と同様に石材として切り出されました。
  • 一般的な採石場は地表から採掘する「露天坑方式」なのですが,石材が地表に露出していない場合は,前述のように「坑内採取方式」が採用されます。 陥没したこの採取場も坑内採掘方式が採用されていました。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 火山砕屑物とは,噴出直後のため高温を保ったままで 未固結の岩塊,岩屑,軽石や火山灰の集合体 のことです。
  • あるところに落ち着いた時でも温度が非常に高い場合は,成分同士が溶結して岩石化しますが,成分によって「溶結凝灰岩」や「火山角礫岩」などの岩石名で呼ばれます。
  • 「吉澤(2008)」では,陥没した火山岩は「デイサイト軽石火山礫凝灰岩」であると記載されています。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

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