小禄中学校北側の壕 No.60  那覇市宇栄原2丁目
記録写真  撮影:2009年7月~2016年4月,2018年5月

2009年7月当時の坑口。 文献の記述通り,壕の中には水が溜まっていました。

壕内の滞留水は鏡のようになっていました。 右側には部屋か分岐があります。 撮影:2009年7月

フロート付きのカメラでの撮影。  撮影:2009年7月。
部屋の真ん中に円形の崩壊跡がありますが,鍾乳石が成長していることより,この壕の崩壊は余り進んでいないようにも思えます。

対策工事に伴って,壕内の滞留水の排水工事も行われました。 撮影:2010年10月。

中学校の斜面工事が行われ,滞留水の排水はフリーフレーム+コンクリート吹き付け工の排水パイプに変更されています。 撮影:2018年5月

中学校の斜面工事(フリーフレーム+コンクリート吹き付け工)の完成により,本地下壕への立ち入りは完全に不可能となりました 撮影:2018年5月
記 事

 写真によると,天盤が大きく崩れています。 しかし,崩れている天盤には鍾乳石が発達しています。 このことから,「天盤は掘削直後に崩落したが,その後60年以上ほぼ安定であった」と思われます。
 鍾乳石の大きさから推定すると,1年間に1mm程度成長したようです。

 文献の記載にある「生コン」とは,小禄中学校の校庭を整備する過程で発見された坑口を閉鎖した時のものと思われます。

 本地下壕は,2010年度と2011年度の2箇年にわたり,コンクリート系材料による充てん工事が行われ,地下壕としては消滅しました。

 那覇市内には,本壕を含んでNo.38(県庁壕)やNo.61(安次嶺金満御嶽地下壕)など5箇所ほどの地下壕に,湧水による水たまりが見られます。

 You Tube に工事記録の動画がアップロードされています。 「特殊地下壕対策 (№60,61宇栄原)埋戻し工事」で検索してみてください。


   「You Tube」で公開されている対策工事の動画です。 2010年8月。
引用文献[1フィート運動の会 活動報告]
調査日:93.7.20 No.60
 ・様  子:全長約80m。 入口1ヵ所。 石灰水がにじみ出て壕全体がコンクリート状になっている。 入口から約12m,深さ50cmの水がある。
       奥の方は最近のものと思われる生コンが流しこまれている。
       遺骨や遺品が石灰水とコンクリートで地面にくっつき,足の骨がそのまま残っている軍靴があった。 遺骨はまだ残っている可能性がある。
 ・形  態:構築
 ・使用者:日本軍
 ・遺  体:1体
 ・遺  品:薬ビン,ビールビン(大日本),缶詰の空き缶,石鹸箱,軍靴,瓦
 ・土  質:ニービ,クチャ,琉球石灰岩
関連情報
発行日 : 2018年6月1日
執筆・編集 : 特定非営利活動法人 地質情報整備活用機構(GUPI)