アンガー(千人壕);糸満市真壁
写真撮影:2106年11月

アンガーの入口(坑口)。

坑口に近づくと,石積みの構造物が確認できます。

アンガーの入口付近。 「ガー」とは井戸のことです。 昔は貴重な水源だったことがわかります。
左端に文字の彫られた石塔らしきものがありますが,調査当時は気づきませんでした。

井戸から奥を撮影。 中央には,ガーからの水を流す流路(人道兼用)が掘削されています。

更に奥を撮影。 元々は,水の流れていた鍾乳洞だったと思われます。

アンガーから道路を挟んだ北北東側に存在する凹地状地形。
ドリーネかもしれませんが,アンガーに続く古い鍾乳洞が崩落した跡かもしれません。
記事

・元々は,真壁住民の避難壕でしたが,途中から第24師団野戦病院(山3487)の分院として利用されたようです。
 このガマも,日本兵が住民を虐待したという証言のある壕です。 

・地元のガイドの話では,「千人壕はアンデイラガマだよ」ということでしたが,アンガーが千人壕という資料があるので,その説を採用しました。
・入口付近で,供養塔などを確認することはできませんでした。

・入口に柵や鍵は無く,誰でも自由に入れるようですが,照明は無いのでヘッドライトか懐中電灯は必携です。

・規模の大きな鍾乳洞のため,1000人は優に収容できる,と思われます。

地下壕の概要

・規 模:約250m
・形 態:鍾乳洞
・使用者:地域住民,陸軍(第24師団野戦病院(山3487)の分院)
・遺 品:
・土 質:琉球石灰岩

関連情報

① 「アンガー(千人壕)」,沖縄の戦跡ブック『ガマ』,pp.96.,沖縄県高教組教育資料センター編集,2009年,ISBN978-4-903042-16-9
② 「12 アンガー」,三和地区ガマ解説