岩鞍に守られたお堂一つ 類型:神仏
  地蔵倉(じぞうぐら) 山形県大蔵村
【奇岩の写真】

肘折伝説と縁結びの地,地蔵倉全景。

地蔵倉の近景。 オーパハングしている岩壁には,小さな穴が無数に開いています。 黒っぽい「ゼノリス」が散見されます。

地蔵倉からの肘折カルデラ。 左は三角山(652m)で,右端は高倉山(1064m)です。
【謂われ,特徴,エピソード等】
  • 「地蔵倉」は,肘折温泉開湯縁起にまつわる地として,地元の人々に大切にされています。
  • 伝承によれば,肘折温泉は大同2年(807年)に,豊後国の出身の行者・源翁によって発見されたと言われています。
  • 出羽三山への道を探していた源翁は,迷い込んだ肘折の山中で地蔵倉に住む,地蔵の化身である老僧に遭遇しました。
    地蔵は「岩山から落ちて肘が折れても,ここの湯に浸かるとたちどころに直る」と肘折温泉の存在を源翁に教えるとともに,「湯殿山参拝の後,この地に留まってこの地を守るように」と言って,湯殿山へ至る道へと導いたのだといいます。
  • 源翁は,地蔵の言葉に従って地蔵倉に住みつき,これが肘折温泉の興りとされています。
  • 現在では,凝灰岩層の断崖の岩陰に六地蔵の石仏が安置され,近くに木造の本殿があります。
  • 毎年7月14日に湯の神様に感謝し,長い間温泉を守って来た先人たちの偉業をたたえる「開湯祭」が執り行われます。
  • 岩壁には無数の孔があり,念じながら紙を紙縒りにして入れ,穴に通すことが出来たら,願い事が叶うという言い伝えがあります。
  • 縁結び,子宝祈願,商売繁盛のパワースポットとして多くの方々が訪れます。
【地形と地質の三次元イメージ】
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」(出典,下記)」を表示します。

【奇岩の周辺の地形と地質】

  • 20万分の1シームレス地質図では,奇岩「地蔵倉」を有する地蔵盛山を構成する地層の岩石名は「珪質泥岩」と記載されています。 これは,この地方の基盤岩と思われます。
  • 20万分の1地質図幅『仙台』では,この地層の岩石名は『硬質泥岩(酸性凝灰岩及び砂岩を伴う)』とあって,第四紀に噴出した火砕岩などでは無さそうです。
  • 本ページの旧版で,『「地蔵盛山」の西側斜面は「肘折カルデラ」のカルデラ壁。』と記載していましたが,「木谷・手塚(2002)」の図2では,「小松淵」~「地蔵盛山」~「三角山」については,カルデラ境界線が描かれていません。 恐らく,地形的,地質的に不明瞭なのでしょう。
  • 地蔵盛山の西側斜面は,銅山川による侵食による急崖(倉)かもしれないので,「カルデラ壁」と言う注記は削除しました。

【奇岩の特徴】

  • 岩壁を良く見ると縞が入っていることがわかります。
  • これは1度の噴火ではなく,いくつかの噴火が繰り返したのかもしれません。
  • 縞と縞は密接しているので短期間のうちに噴火が繰り返された可能性があります。
  • 堆積物内には大きな礫が含まれていることから,火砕岩の一種「凝灰角礫岩」と思われます。
    地質図とは矛盾していますが,理由はわかりません。
【記事,引用情報,お断りなど】
【記事】
  • 奇岩の「地蔵倉」と「鼻欠倉」の他に,銅山川の流域には「小松倉」や「板谷倉」と言った,「倉」の付く地名があります。
  • この地名の「倉」は,多くの場合「断崖絶壁」,「崩壊した谷」や「急峻な斜面」などを表します。
  • 大規模火砕流の台地が河川の侵食によって削られて,断崖絶壁となっている場所なのですね。
  • なお,全国的にみた場合,倉には「山」を意味する場合もあるので,ご注意ください。
【引用情報】
【参考情報】
【お断り】
  • 奇岩の位置については,地図検索のページをご覧ください。
  • 旧版において掲載していた「周辺のジオサイトや観光地」と「交通概況」については,情報が陳腐化してきたことから削除しました。 メジャーな検索サイトのご利用をお願いします。
【奇岩の位置座標】

座標データ: 140.1750403 : 38.603534
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