霊験あらたかなご神体 類型:神仏
  子安河原観音(こやすがわらかんのん) 熊本県阿蘇市乙姫
【奇岩の写真】

子安河原観音の近景。
【いわれ,特徴,エピソード等】
  • 熊本県阿蘇市乙姫地区の山麓にある乙姫川(子安川)の中流に,「子安河原観音」とよばれる女体の形をした岩があります。
  • 地域住民は古来より「子授け」「子預け」の仏様として崇めてきました。
  • 一説によると,その昔,(神功)皇后が応神天皇を懐妊したときに,武内宿禰に命じてこの地で安産を祈らせたということです。
  • この観音様の周囲には,黒色と赤色の小石が無数にあり,子供の欲しい人は,男の子が希望なら黒色の小石を,女の子なら赤色の小石を拾って帰り,股に挟んで寝れば必ず子宝が授かるとの言い伝えがあり,現在は県外からも多くの参拝者が子宝祈願に訪れています。
【地形と地質の三次元イメージ】


5万分の1 阿蘇火山地質図(出典,下記)

【奇岩とその周辺の地形と地質】

  • 「子安河原観音」が鎮座する乙姫川河床の標高は約550mと高く,写真のように普段は水が流れていません。
  • 「阿蘇火山地質図」によると,乙姫川より東側(図右側)には「往生岳火山・溶岩流(約1.8万年前頃)」が広がっています。
  • 一方,乙姫川より西側(図左側)は,それより新しい「米塚火山・溶岩流」で覆われています。
  • 持ち帰ってお祈りに使う赤と黒の小石は「スコリア」と思われ,これらの溶岩流の上には「火山灰」や「スコリア」などの「降下火砕物」が降り積もっていたことがわかります。
  • 一方,ご神体は少し青みがかった白色なので,流紋岩に近い安山岩ではないかと考えます(未確認です)。
【記事,引用情報,お断りなど】
【記事】
  • マグマが爆発的噴火で粉々に砕かれ,一旦空中高く舞い上がった後に降下した破片のことを「降下火砕物」と言い,直径が2mm以上64mm以下の物は「火山礫」に分類されます。
  • 火山礫のうち,玄武岩質の黒や赤い色の物を「スコリア」と言い,安山岩・デイサイト・流紋岩質の黄色や灰色,白いものを「軽石」と言います。
【引用情報】
【参考情報】
  • 有用な情報を調査中です。
【お断り】
  • 奇岩の位置については,地図検索のページをご覧ください。
  • 旧版において掲載していた「周辺のジオサイトや観光地」と「交通概況」については,情報が陳腐化してきたことから削除しました。 メジャーな検索サイトのご利用をお願いします。
【奇岩の位置座標】

座標データ: 131.0480759 : 32.9281184