地元では信介岩(のぶすけいわ)だそうな 類型:人間
  両子岩(ふたごいわ) 長崎県南島原市
【奇岩の写真】

国道脇からの両子岩。右の小さな社は二岩(ふたいわ)神社のご神体。

両子岩の近景。
【いわれ,特徴,エピソード等】
  • かつてここには,同じような岩塔が2つあり「両子岩」と呼ばれてきました。
  • しかし,松の木が生えて大きかったほうの岩塔は,大正11年の大地震*や海食などによって崩壊してしまい,今はこの奇岩だけが残されています。
  • 残されたこの岩塔は,角度によっては元首相の岸信介**さんによく似ているということで,地元の人は「信介岩」と呼んでいるそうです。
  • 写真にも写っているように,首から肩にかけての部分がモルタルによって固められています(根固め工)。
  • 上記のような自然の営力によって崩壊することを防止するための工事で,このような処置は,伊勢の夫婦岩などでも行われており,特に珍しいものではありません。
【地形と地質の三次元イメージ】


20万分の1 シームレス地質図(出典,下記)

【奇岩とその周辺の地形と地質】

  • 島原半島の南西部の彦山(380m)を中心とする一帯には,更新世カラブリアン期(約170万年前~70万年前)に噴火した,「国崎安山岩(安山岩,溶岩・火砕岩):An層」が広く分布しています。
  • 現代と同じく,台風などの豪雨によって,これらの岩石の一部は土石流となって谷筋を埋めると共に,海岸周辺に厚く堆積しました。
    現在,「南串山層」と呼ばれている地層です(地質図には記載されていません)。
  • 両子岩は,この南串山層が主に波の力による「差別侵食」を受けて生じた奇岩です。
  • 土石流である南串山層を構成する安山岩類は, 直径1cmくらいある巨大な普通輝石の斑晶を含む溶岩の塊となっています。
  • 沿岸に記載されている記号は「干潟」ですが,土石流堆積物が削られてできた「波食棚」の可能性もあります。
【記事,引用情報,お断りなど】
【記事】
  • *島原地震:1922年12月8日。想定震源地;長崎県橘湾。 想定規模;M6.9。
  • **岸信介氏:第56・57代内閣総理大臣。生年:明治29(1896)年。没年:昭和62(1987)年。出生地:現山口市。
【引用情報】
【参考情報】
【お断り】
  • 奇岩の位置については,地図検索のページをご覧ください。
  • 旧版において掲載していた「周辺のジオサイトや観光地」と「交通概況」については,情報が陳腐化してきたことから削除しました。 メジャーな検索サイトのご利用をお願いします。
【奇岩の位置座標】

座標データ: 130.1269797 : 32.6502554