弘法大師も勘違い 類型:伝説
  橋杭岩(はしぐいいわ) 和歌山県串本町
奇岩の写真

橋杭岩の近景

橋杭岩の遠景
いわれ,特徴,エピソード等

 昔,弘法大師が天の邪鬼と串本から沖合いの島まで橋をかけることが出来るか否かの賭けを行いました。

 弘法大師が橋の杭をほとんど作り終えたところで,天邪鬼はこのままでは賭けに負けてしまうと思い,ニワトリの鳴きまねをして弘法大師にもう朝が来たと勘違いさせました。

 弘法大師は諦めて作りかけでその場を去りました。

 そのため橋の杭のみが残ったというはなしです。

地形・地質の概要

 串本から大島に向かって,南北におよそ900mにわたり橋脚のような岩塔(橋杭)が直線状に配列しています。
 これらは,およそ1500万年前に地下から上昇したマグマが熊野層群に貫入した石英斑岩の岩脈です

 紀伊半島の隆起に伴い,波浪により熊野層群の泥岩や砂岩はどんどん浸食される一方,石英斑岩ははるかに硬いため,所々で浸食,崩壊するものの,周囲から取り残され,橋脚状の岩塔が高くそそり立つようになりました。

 また,橋杭岩に転がっている岩の中には,岩のそそり立つところからかなり遠くにまで転がっているものもあります。
 これらの岩が動くのには秒速4メートル以上の速い流れが必要とされ,この地域で頻繁に襲来する台風から起こる波でなく,過去の大きな津波の時に動かされたと考えられています。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

  「橋杭岩」が波浪の侵食で崩壊した後の岩塊は,陸側の「波食棚」の上に散在しています。
 一方,橋杭岩は,略西北西-東南東の直線状に延びており,この方向性は「古座川弧状岩脈(熊野コールドロン)」の内側に分布する「流紋岩質貫入岩」のそれとほぼ一致しています。
 従って,橋杭岩の方向性は,橋杭岩周辺だけの特性ではなく,紀伊半島南端部全域にわたるという,大規模な地球物理的な運動の影響を受けているようです。
周辺のジオサイトや観光地

南紀熊野岳ジオパーク
 この奇岩は,南紀熊野ジオパークの「南エリア(串本町)」を構成するジオサイトの一つです。
 同じエリアのジオサイトには「荒船海岸」,「九龍島と鯛島」,「海金剛」,「地獄の釜」や「大島や潮岬の火成岩」などがあります。

日本の地質百選
 この奇岩は 日本の地質百選(古座川弧状岩脈) に選定されています。

☆観光地
 潮岬,樫野崎,袋の津波到達標柱,串本海域公園,金山展望台などがあります。

☆観光コースの例
 串本町の観光ガイドはここにあります(ジオサイトの説明もあります)

交通概況

☆鉄道
 JR紀勢本線「串本駅」下車。徒歩約20分です。
 タクシーで約2分です。

☆自動車
 阪和自動車道の「南紀田辺IC」経由,国道42号を白浜・串本方面へ,道の駅「くしもと橋杭岩」まで走行してください。

引用情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。