百合若大臣が開けた穴と言う 類型:歴史
  星穴(ほしあな) 群馬県安中市・下仁田町
【奇岩の写真】

妙義荒船スーパー林道,旧料金所跡地からの星穴岳とむすび穴(三角穴)。
むすび穴の左やや下方に星穴(四角穴)があるハズなのですが,
手前の尾根で見えません。

「星穴(四角穴)」の近景。
【いわれ,特徴,エピソード等】
  • 山の中腹に空いた10m四方の大穴で,またそれにまつわる伝説が地域全体に根付いて,この伝説から地名がついているものものあります。
  • 大男の「百合若大臣」が昔,力比べをしようと,旧松井田町小山沢から碓井川をまたいで,妙義に向かって矢を放ったところ,星穴岳の山腹を貫きました。
  • さらにその抜けた岩が下仁田町高立地区に突き刺さり,一本岩としてのこっており,そこを源流とした川は矢川と名付けられています。
  • このときに百合若大臣が用いた弓と矢は,妙義神社に奉納されています。
  • また,百合若大臣に対抗し,周りの者が持っていたむすびを投げつけて空いた穴が,「むすび穴」として星穴の東に空いています。
【地形と地質の三次元イメージ】


1/20万地質図幅『長野』(出典,下記)

【奇岩周辺の地形と地質】

  • 「星穴岳」の周辺地質は,新生代新第三紀後期中新世~鮮新世(700万年前~400万年前)に噴出した,「安山岩の溶岩・火砕岩,一部デイサイトの溶結凝灰岩」です。
  • 「中村他(2021)」によると,「星穴岳」の地質は「妙義層」と呼ばれている「中之岳溶岩・凝灰角礫岩部層」とのことです。

【奇岩の特徴】

  • 星穴岳には,大小二つの岩穴が存在し,いわゆる「星穴」は西側の四角形の岩穴で,「むすび穴」は東側の三角形の岩穴です。
  • 「中村他(2021)」は,星穴(四角穴)の成因は「抜け落ち型」で,むすび穴(三角穴)のそれは上部岩盤の荷重による「飛び出し型」と,推定しています。
【引用情報,お断りなど】
【引用情報】
【参考情報】
【お断り】
  • 奇岩の位置については,地図検索のページをご覧ください。
  • 旧版において掲載していた「周辺のジオサイトや観光地」と「交通概況」については,情報が陳腐化してきたことから削除しました。 メジャーな検索サイトのご利用をお願いします。
【奇岩の位置座標】

座標データ: 138.7308826 : 36.2875745