ガリバーが食べるという 類型:食品
  秋川渓谷サンドイッチ岩(さんどいっちいわ) 東京都あきる野市
奇岩の写真

秋川渓谷とサンドイッチ岩(1):右が上流

秋川渓谷とサンドイッチ岩(2):右が上流
いわれ,特徴,エピソード等

 約1500万年前に堆積した「五日市町層群」が,地殻変動によりほぼ直立しています。

 「差別侵食」の結果,具を挿んだパン,すなわちサンドイッチのように見えます。

 この岩石群を,秋川渓谷の流れが下刻(下方侵食)しています。

地形・地質の概要

 五日市盆地は,関東山地の南東部の秋川沿いに位置し,東西・南北とも約5kmという比較的小さな堆積盆です。
 産総研・地質調査総合センター発行の1/20万シームレス地質図を参照すると,五日市盆地には新生代新第三紀中新世(約1600万年前頃)の「五日市町層群」,新生代第四紀更新世(約150万年前頃)の「流紋岩類,溶岩・火砕岩」と,後期更新世(約15万年前頃)の「段丘堆積物」が分布しています。
 五日市町層群は,「砂岩」,「泥岩」とその互層や「礫岩」などで構成されています。 特徴は,極めて複雑な「褶曲構造」を持っていることで,奇岩自体が「ほぼ垂直の地層」となっています 。

 シームレス地質図には,奇岩に隣接して流紋岩類の貫入岩?の記載がありますが,その活動が褶曲に影響を与えた可能性があります。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 この奇岩は,秋川が山間部から平野部に流れ下る最後の場所付近にあります。
 断層が多く,中新世の砂岩や泥岩などが複雑に絡み合っているためでしょうか,秋川は大きな蛇行(穿入蛇行)を繰り返す一方,比較的広い「河成段丘面」が存在します。
周辺のジオサイトや観光地

☆奇 岩
 本奇岩周辺では,以下の3奇岩が「日本の奇岩百景プラス」に登録されています。
  No.110(石船
  No.111(山抱きの大樫
  No.113(金比羅山の天狗岩

☆観光地
 秋川渓谷:多摩川の支流である秋川のうち,檜原村とあきる野市の部分約20kmは「秋川渓谷」と呼ばれています。 紅葉や雪景色に代表される四季の散策,ハイキングとキャンプや6月からの鮎釣りなどを楽しむことができます。

交通概況

☆鉄道
 JR五日市線「武蔵五日市駅」で下車し,駅直角方向の都道7号をあきる野市の中心部に向かって歩きます。
 駅前交差点から約700mの所に「五日市橋」があり,向かって左側の歩道からサンドイッチ岩を見下ろすことができます。

☆自動車
 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)「あきる野IC」から,都道7号を経由して五日市橋交差点まで進みます。

引用情報,参考情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【参考情報】
 産総研・地質調査総合センター >
   1/20万シームレス地質図
 (1987年発行の1/5万地質図幅:五日市も閲覧できますが,流紋岩の記載はありません)

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。