凄すぎる木と支える岩 類型:自然
  山抱きの大樫(やまだきのおおかし) 東京都あきる野市
奇岩の写真

山抱きの大樫を育てる?岩

山抱きの大樫
いわれ,特徴,エピソード等

 露出した石灰岩の上に根を張って立っている様(さま)が,山全体を抱いているような印象を与えることから,「山抱きの大樫」と呼ばれるようになりました。
 大樫のある小尾根からは深沢地区の山々と集落を見下ろすことができ,大樫の周りをぐるりと一周できます。

 侵食された複雑な模様の「石灰岩露頭」と,自然な樹形を保った雄大な枝ぶりは観る者を圧倒します。
 あきる野市内有数のパワースポットのひとつです。

 幹の周囲が約6.5mもあるという,都内最大のカシノキ(ウラジロガシ)で,あきる野市の天然記念物に指定されており,樹齢は少なくとも300年以上と考えられています。

地形・地質の概要

 産総研・地質調査総合センター発行の「1/20万シームレス地質図」を参照すると,「天狗岩」の立地場所の地質は,中生代ジュラ紀(約1.7億年前頃)の「混在岩(岩石名)」です。
 主に「付加体」で構成される「秩父帯」に属しています

 「混在岩」は,「海底地すべり」によって混合された様々な種類の岩石が入り混じった岩石(全体)のことですが,地層としては,「メランジュ」と表現する場合もあります。
 基本的には,「泥岩」が主体ですが,「チャート」,「石灰岩」,「砂岩」や「玄武岩」など,地すべりが起きる前の岩石が,大小のブロックとして含まれる場合もあります。

 この奇岩は,混在岩の中に存在する比較的大きな「石灰岩」のブロックと考えられます。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

 「山抱きの大樫」は,秋川の支流「三内川」の右岸を望む小さな尾根の「遷急点」付近にあります。
周辺のジオサイトや観光地

☆奇 岩
 本奇岩周辺では,以下の3奇岩が「日本の奇岩百景プラス」に登録されています。
  No.110(石船
  No.112(サンドイッチ岩
  No.113(金比羅山の天狗岩

☆観光地
 秋川渓谷:多摩川の支流である秋川のうち,檜原村とあきる野市の部分約20kmは「秋川渓谷」と呼ばれています 紅葉や雪景色に代表される四季の散策,ハイキングとキャンプや6月からの鮎釣りなどを楽しむことができます。

交通概況

☆鉄道
 JR五日市線「武蔵五日市駅」で下車します。 都道31号を左折し100m程進むと交差点がありますが,その手前の舗道上に山抱きの大樫や深沢小さな美術館などへの指導標が建っているので,以後それに従ってください。
 なお,指導標には「山抱きの大樫へ2,750m」と記載されています。

☆自動車
 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)「あきる野IC」から,都道7号を経由して五日市駅前まで進み,駅前交差点を右折して都道31号に入ります。 以後,同様です。
 指導標に従って左折した後,山抱きの大樫への道路は,市街地を含め往復で1車線しかないので,走行には十分ご注意ください。

引用情報,参考情報,お断り

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【参考情報】
 産総研・地質調査総合センター >
   1/20万シームレス地質図

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。