霊験あらたかなご神体 類型:神仏
  子安河原観音(こやすがわらかんのん) 熊本県阿蘇市乙姫
1.謂われ、特徴、エピソード等
 熊本県阿蘇市乙姫地区の山麓にある乙姫川の中流に「子安河原観音」とよばれる女体の形をした岩があります。 地域住民は古来より「子授け」「子預け」の仏様として崇めてきました。
 一説によると、その昔、神功)皇后が応神天皇を懐妊したときに、武内宿禰に命じてこの地で安産を祈らせたということです。
 この観音様の周囲には、黒色と赤色の小石が無数にあり、子供の欲しい人は、男の子が希望なら黒色、女の子なら赤色の小石を拾って帰り、股に挟んで寝れば必ず子宝が授かるとの言い伝えがあり、現在は県外からも多くの参拝者が子宝祈願に訪れています。
 詳しくは、乙姫子安河原観音をご参照ください。
2.地形・地質の概要
 子安河原観音は、阿蘇連山杵島岳北麓の乙姫川(子安川)の河床にあります。 標高が約550mと高く、写真のように普段は水が流れていません。
 この場所の地質は、往生岳火山による溶岩流とスコリアで、年代は概ね1万8千年前と推測されています(産業技術総合研究所)。
 マグマが爆発的噴火で粉々に砕かれ、一旦空中高く舞い上がった後に降下した破片のことを降下火砕物と言い、直径が2mm以上64mm以下の物を火山礫に分類されます。火山礫のうち、玄武岩質の黒や赤い色の物をスコリアと言い、安山岩・デイサイト・流紋岩質の黄色や灰色、白いものを「軽石」と言います。
 写真を見る限り、持ち帰ってお祈りに使う赤と黒の小石は「スコリア」です。 一方、ご神体は少し青みがかった白色なので、流紋岩に近い安山岩ではないかと考えます(ご神体に接していないので、正確では無いかもしれません。編者)。
3.周辺のジオサイトや観光地
阿蘇ユネスコジオパーク
 ★子安河原観音は、標記ジオパークのジオサイトとしては登録されていないようですが、南方約2kmには「米塚ジオサイト」があります。 米塚は、約3000年前に噴火した典型的なスコリア丘です。
☆阿蘇八石伝説
 1.箱石(はこいし): 一宮町坂梨: 国道265号の箱石峠の左山手にある、高さ7mほどの重箱を三段重ねたような石です。 この箱石に行者が家内安全や牛馬安全のお経を入れてお祈りをすると、石と石の間が開いてお経が取り出せたと言われています。
 2.疣石(いぼいし): 一宮町坂梨: 国道57号K滝室坂の下にある大石で、上部にある凹みに溜まった水をいぼにつけると、いぼがとれたと言われています。
 3.鷲の石(わしのいし): 阿蘇市山田: 字鷲の石の上方の杉山の中にありますが、その形からみて、呼び名でなく実際に鷲が住んでいたためではないか、とのことです。
 4.鼻ぐり石(はなぐりいし): 阿蘇市湯浦: 内牧湯浦の原野にある大石で、牛のはなぐりを通すような穴があるため、このように呼ばれています。
 5.的石(まといし): 奇岩100景に登録されています。
 6.硯石(すずりいし): 阿蘇山上: 旧火口登山道路右の尾根にある大石です。頂部の凹みには常に水が溜まっていて、日照りのときにも干上がらず、その水で目を洗うと眼病が治ると言われています。
 7.鏡石(かがみいし): 阿蘇山上: 阿蘇山上神社本堂の前に鎮座する黒い鏡のような石です。 ガラス質の黒曜石でできています。
 8.境石(さかいいし): 阿蘇市・高森町: 阿蘇連山の高岳(1592m)にあります。
☆観光地
 ★阿蘇カルデラツアー: 阿蘇温泉観光旅館協同組合に加盟している宿泊施設21軒と、乙姫ペンション5軒の計26軒に宿泊したお客限定のツアーで、地質的には「ジオガイドと行く阿蘇火口トレッキング」などが適当でしょう(実施期間などは要確認です)。
 ★ASO田園空間博物館: 四季折々の阿蘇の魅力を満喫するための、地元案内人による地域散策イベントなどを開催しています。
4.交通
 ☆公共交通
  バス: 熊本発の九州産交バス、熊本空港、大津駅経由大分行きのやまびこ号に乗車し、「乙姫ペンション村入口」で下車、奇岩まで約1kmです。 一日に7往復あります。
 ☆自動車
 「大分自動車道」の日田ICで国道212号に入り、杖立温泉、小国町経由で大観峰まで。更にカルデラ内に入り、内牧温泉で県道149と同175を通って国道57号を熊本方面に曲がるとすぐに子安河原観音への案内板が目印です。 詳しくはこちらをどうぞ

子安河原観音の近景。 
地図と写真の操作方法はこちら  奇岩の位置についてはこちら
6. 奇岩の地図
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