ここが国作りの原点だった 類型:伝説(神話)
  上立神岩(かみたてがみいわ) 兵庫県南あわじ市沼島
1.謂われ、特徴、エピソード等
 「古事記」、「日本書紀」の神代巻、いわゆる“記紀神話”によると、天つ神がイザナギの命、イザナミの命の二神に神聖な沼矛(ぬぼこ)を授け、国造りを命じました。
 この二神は、まず、天の浮橋に立ち、授かった矛で、混沌とした世界をかき回しました。 潮をゴロゴロと鳴らし、引き上げた矛の先から、落ちた雫が固まって島となりました。
 これがオノコロ島です。
 この島にイザナギ・イザナミの二神が降り立って、夫婦の契りを結び、御柱と宮殿を建て、国土造成を されました。 その舞台であるオノコロ島が、沼島となされています。
 イザナギ・イザナミの二神が、周囲をまわり、夫婦の契りを結んだ天の御柱がこの上立神岩だといわれています。
2.地形・地質の概要
 沼島は、淡路島本島から4kmしか離れていませんが、日本中央構造線の大きな断層上にあり、本島とは全く異なる結晶片岩でできています。 紀伊水道、大阪湾に面する沼島周辺は、奇岩や岩礁があふれ豊かな自然景観を望むことができます。
 島の南西半分は黒色千枚岩層、北東半分は緑色片岩層、北部は緑泥片岩が分布しています。
 上立神岩は沼島の地質をよく表わしている奇岩で、30mの高さを誇り、島のシンボルとして人々に「立神さん」と呼ばれ親しまれています。
3.周辺のジオサイトや観光地
☆周辺のジオサイト
 ★南あわじの鞘型褶曲(日本の地質百選 No.52) : 1億年前の地球のシワが残る珍しい岩石です。 平成6年(1994年)に発見され、引き潮の時にしか姿を現しません。 昔の地殻内部の動きがわかる世界的にも貴重な岩石です。
 注 鞘型(さやがた)褶曲とは、断面が木の年輪のように楕円形状の模様を示しているもので、ある程度の区間が金太郎飴のように同じ形状を呈しています。
 ここに多くの鞘型褶曲写真が掲載されています。
 ★バエ : 「岩」を指すこの地方の言葉です。 沼島には、猩々バエ、アミタテバエ、アミダバエや観音バエなど多くの奇岩が存在します。
☆観光地
 ★おのころ神社: 小高い山の上にあり、天地創造の神であるイザナギ、イザナミの二神を祀っています。 この山全体が 「おのころさん」と呼ばれる神体山です。
4.交通
☆公共交通
 
バ ス : 「陸の港西淡」より、南あわじ市営コミュニティバス「南北幹線(すいせん号下り、10時55分発あるいは14時05分発)」に乗車し、約1時間の「沼島汽船場前」で下車してください。 「陸の港西淡」へは、神戸三ノ宮や高速舞子などから1時間1本程度の高速バスが出ています。
 定期船 : 土生港(兵庫県南あわじ市灘土生 1-10)から沼島汽船(株)に乗船し約10分で沼島港に着きます。 上立神岩のビューポイントまで約1.5kmです。 定期船は、1日に10便程度ありますが、詳細はここで確認してください
☆自動車
 神戸方面より : 神戸淡路鳴門自動車道の「西淡三原IC」で一般道に降り、県道31号を「賀集八幡」を経由して県道76号を「阿万」に進み、土生(はぶ)港まで。
 鳴門方面より : 神戸淡路鳴門自動車道の「淡路島南IC」で一般道に降り、県道25号を「福良」経由で「賀集八幡」まで進み、以後上記に同じです。

上立神岩の近景。 写真提供「沼島の勇清丸
5. 奇岩の地図
地図と写真の操作方法はこちら  奇岩の位置についてはこちら
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