ゴジラの本名は「イズら」だったのね 類型:怪獣
  イズら(いずら) 静岡県西伊豆町
奇岩の写真

イズらの向こうに沈む夕日

イズらと田子島(灯台)

波穏やかな夏の大田子海岸
1.いわれ,特徴,エピソード等

 日本の夕日百選にも選ばれている「大田子海岸」からは,怪獣ゴジラに良く似ているために名付けられた「イズら」が,悠々と海を泳いでいるように見ることができます。

 写真にも写っているように,奇岩の上の部分が丸く穴が開いたように見えますが,この穴に夕陽が入る所を面白がって見る人や,写真を撮る人が多く訪れます。

 丸い穴に夕日が沈む,という絶景の夕陽が見られる場所が限られているため,ハイシーズンには,カメラマンが大勢集まって,場所取りが大変なようです。 

2.地形・地質の概要

 田子港付近の白っぽい岩は,伊豆半島が遙か太平洋の海底にあった頃の海底火山により噴出したデイサイトと流紋岩質です。

 「イズら」は,海底火山の噴出によって引き起こされた水底土石流の堆積層です。

 写真に写っている穴は,海面上に隆起した後に波の侵食によって発生したものと考えられています。

奇岩近傍の三次元地形イメージ

  「岩礁」「イズら」は,「西伊豆海岸」のほぼ中央に位置する,「田子漁港」の入り口の田子湾に突き出た小さな岬の延長上に存在します。
 元々は,この岬の先端部分であったろうと想像します(現地調査,未実施)。
周辺のジオサイトや観光地

伊豆半島ジオパーク
 この奇岩は,伊豆半島ジオパークの「西伊豆エリア」の「燈明ヶ崎・田子ジオサイト」を構成するジオポイントの一つです。
 西伊豆エリアには,次のようなジオサイトがあります。

★燈明ヶ崎・田子ジオサイト:この「イズら」も泳ぎ,「燈明ヶ崎遊歩道」から観察できる海底火山の断面などがお勧め。
★枯野公園付近ジオサイト:海底火山の噴火にともなう水底土石流など。
★堂ヶ島・仁科港ジオサイト:堂ヶ島海岸の北と南エリアや浮島海岸,天窓洞など,奇岩「亀岩」も泳いで?います。
★岩地・石部・雲見ジオサイト:千貫門,室岩洞,烏帽子山や石部の岩棚など。
★黄金崎ジオサイト:奇岩「馬ロック」が走り廻った?黄金崎。
★土肥金山ジオサイト:土居金山と龕附(がんつき)天正金山。

☆観光地
★大田子海岸: 西伊豆町は,この大田子海岸に沈む夕日で町おこしをしており,絶景ポイントには「夕陽展望所」も設置されています。
 海岸の正面には, 男島・女島からなる田子島が浮かんでおり,一年のうち秋分・春分の日のお彼岸の期間だけ田子島の真ん中に夕陽が沈むという珍しい光景が見られます。
 田子島の手前で泳いでいるのが「イズら」です。
★田子集落: 古くから鰹漁が盛んで鰹節を生産していました。
 今でも昔ながらの製法を守って本枯節という一級品の鰹節を生産しています。
 又,鰹を塩 漬けにして乾燥させた「しおかつお」という伝統的な保存食があり,それを使った「しおかつおうどん」がB級グルメとして有名です。

交通概況

☆鉄道
 伊豆箱根鉄道駿豆線の終点「修善寺」で下車。東海バス「松崎行き」に乗車。約1時間25分乗車した「大田子海岸」で下車してください。徒歩約1分で奇岩のビューポイントに到着します。

☆自動車
 東名自動車道「沼津IC」あるいは新東名高速道「長泉沼津IC」から伊豆縦貫自動車道(東駿河湾岸状道路),伊豆中央道,修善寺道路及び国道136号を走行し,西伊豆バイパスの船原峠(土居峠)を超えて伊豆市土肥へ。下田方面へさらに進み,西伊豆町田子上交差点を旧道へ進入して太田子海岸まで走行してください。

記事,引用情報,お断り

【記事】
 2019年9月:事務局撮影の写真を追加しました。

【引用情報】
 国土地理院 >
   地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)
   国土地理院利用規約

【お断り】
 奇岩の地図は「奇岩近傍の三次元地形イメージ」に変更しました。
 地形図については,地図検索のページをご覧ください。